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ペットボトルのキャップを集めてリサイクルって

ペットボトルのキャップを集め、400個で1kgになるが、それ(1kg分)を10円で売るらしい。
その売却代金がワクチンになって、どこかの国で使われるとのこと。

世界の子供にワクチンを日本委員会

ペットボトル(PETボトル)のキャップは、ポリエチレンかポリプロピレン製だ。
歴史的経緯で言えば、ペットボトルのキャップは、金属製キャップからポリプロピレン製キャップになり、その後、ポリエチレン製のキャップが登場という流れになっている。

金属キャップは現在使われていないが、ポリプロピレンとポリエチレンの見分け方は、キャップのギザギザが細かい物がポリプロピレン製、粗い物がポリエチレン製とするのが一般的。
キャップはさらに、内側に青だったり別の色の物がついている場合があるが、これは内容物を漏れさせないためのシール。これも別のプラスチック。これがない物は漏れるわけではなく、その必要がないから。

このキャップはおおよそ1個あたり3g程度だが、これを集めてリサイクルしているということ。何にリサイクルしているのかは不明。

そもそも、材質にポリエチレンとポリプロピレンがあり、さらに色も多彩で、これから何か別の製品を作るのは大変だ。
ポリエチレンとポリプロピレンを分けることができれば品質の高い物に生まれ変われるが、技術的にそれは困難。

色がついている物は、黒にするしかない場合が多く、白い物と、色のついている物で分けることは比較的簡単だ。

そもそも、ポリエチレンやポリプロピレンの新品ペレット(原料)は1kgあたり、100円から200円程度で販売されいる。(原油が高騰した場合は300円くらいかもしれない)

1kg10円というのはずいぶん安い。どうせ分類するなら、材質と色ごとにわけると高く売れる。
ペットボトルのキャップはともかく、新品でも1kg 200円程度の価値しかないものを集めている人がいることは事実である。

どのようなリサイクルをしているかはわからないが、ポリエチレンをリサイクルするというのなら、スーパーの余ったレジ袋(一般的にポリエチレン製)を集めたっていいだろうし、他にも集めるべき物はたくさんあるだろう。
昔は、色々危険性もあったアルミ缶のタブを集めている人がいたが、タブは取り外せなくなっているのにいまだに無理矢理外して集めている人がいるらしい。このペットボトルのキャップ収集もそれに似たような物なのだろう。

リサイクルのために集めること自体は無駄ではないが、何にリサイクルしているのかなど、収集された後の事もしっかりと理解した上で、そういった活動に参加してはどうかと思う。

レジ袋を減らすとCO2はトータルでどれだけ減るのか?

レジ袋を減らすとCO2を削減できると言うが、どの程度削減できるのかデータがはっきりしていない。どこかの専門資料に書いてあるのかもしれないが、それがどれかがわからない。

社団法人プラスチック処理促進協会よくあるお問合せには、レジ袋の原料製造工程やレジ袋の製造工程でのCO2排出量が書いてある。

原料(ポリエチレン)の製造工程では1kgあたり1.231kgのCO2が発生。
そこからレジ袋を製造するためには1kgあたり0.281kgのCO2が発生。

同協会の「樹脂加工におけるインベントリーデータ」というのを出展としたデータのようだが、これはどこに配布しているのかはよくわからない。

レジ袋(ビニール袋、ショッピングバッグ、ポリ袋)が最終消費者に渡るまでにどの段階でCO2が発生するかというと。

原油を採掘する
その原油を、石油化学コンビナートまで運ぶ
コンビナートで原料のポリエチレンを製造する
ポリエチレンをレジ袋製造工場に運ぶ
レジ袋を作る
レジ袋をスーパーやコンビニなどに運ぶ

という部分でCO2が排出される。
ここでわかるのは、どの原料製造工程かわからないけど、ポリエチレンの製造で1kgあたり1.231kgのCO2が発生、レジ袋の製造工程で0.281kgのCO2が発生。
物流工程でのCO2はほとんど無いくらいに少ないので無視してもかまわないと思うが、レジ袋を7gとすると、少なくとも消費者が受け取るまでの段階で10.6gのCO2が発生していることになる。

さらに燃やすと、前回の記事でわかるように22g発生するので、7gのレジ袋を使って燃やすと、合計で33g程度のCO2が発生する。

当然ながら、捨てても埋め立てただけとか燃やさなければ、22gのCO2は発生するわけがない。

ゴミ捨て場に、買い物袋として使ったレジ袋を、ゴミを出す場合と、ゴミ袋専用の袋(材料は同じポリエチレン)を買ってきて、ゴミを捨てるためだけに使った場合はどうなるだろうか。

レジ袋を燃やすときに必要な空気の量は?

レジ袋のCO2排出量を計算してみたの続き

レジ袋(ビニール袋という呼び方は間違いだが、レジ袋が正しいかと言われれば?)を燃やすことで発生するCO2は7gの袋なら22g程度とは書いた物の、気体を重量で書いても理解しづらいのではなかろうか。

一般的に気体に重さがあるとは知っていても、それを感じることは少ない。CO2排出量をトン単位で表現しているマスコミは何を考えているのだろうか。

前回の式によると、28gのポリエチレンを燃焼させるために必要な酸素の量は、96gで体積にすると67.2リットル(標準状態で)であることがわかる。(これも高校生なら理解可能なはず、わからない場合はアボガドロや理想気体をキーワードに調べること)
発生するCO2(二酸化炭素)の量は44.8リットル。

空気中の酸素の量は20%程度なので、28gのレジ袋を燃焼させるためには67.2×5で336リットルの空気が必要となる。

レジ袋1枚が7gだとすると、84リットルの空気が必要。

レジ袋を1枚使うと、最終的に84リットル分の空気を使わないと燃やせないと考えれば、わかりやすいかもしれない。

レジ袋のCO2排出量を計算してみた

テレビを見ていたら、大和ハウス工業のCMで、CO2排出を減らせる家 「エコバッグ」篇というのをやっていた。
このCMによるとレジ袋を断りエコバッグを使うことで、62gのCO2排出が削減できるとのことだった。

なんとなくこの数字が嘘くさかったので、自分で計算してみた。

その前に大和ハウス工業のWebサイトで公開されているCMを再確認すると、62gという数値は

環境省「めざせ1人、1kg ~チーム・マイナス6%~」より出展。

と小さい時で補足されていた事が確認できた。

めざせ1人1日1kg削減!のことだろう。確認してみると、

お気に入りにのマイバックでお買い物!
お店では包装の少ない品物を選ぶ!

で、CO2マイナス62gと書いてある。

環境省が言いたいところは、単に一回レジ袋を断るのではなく、無駄な包装がない物を選ぶなど、いろいろなことをやって、やっとマイナス62gになる。ということなのだろう。
少なくとも、環境省のサイトには数値の根拠が書いていないようだが、大和ハウス工業のような大企業のCMに勘違いした数値が使われてしまうので、数値の根拠などをしっかりと書く必要があると思う。

レジ袋のCO2排出量計算

スーパーやコンビニなどで使われているレジ袋は、ポリエチレン製だ。
ポリエチレンは炭素(C)と水素(H)で構成されているプラスチック。ビニール袋と言う方も多いが、ビニールとは塩化ビニルから来る言葉であり、塩化ビニルを使用していない袋をのことをビニール袋と呼ぶのは正しくない。

ポリエチレンからCO2が排出されるというのは、ポリエチレンを燃やす反応であり、理論的には、ポリエチレン(C2H4)と酸素(O2)を反応させ、その結果、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が発生する反応だ。

これを化学式で書くとこうなる。

C2H4+O2→CO2+H2O

これは化学的に正しくないので、正確に書くとこうなる。

ポリエチレンの完全燃焼式(高校生なら理解可能)

C2H4+3O2→2CO2+2H20

レジ袋が完全燃焼した場合の反応式

レジ袋が完全燃焼した場合の反応式

ということで、この式から計算するとポリエチレン28gを燃焼させると88gの二酸化炭素(CO2)が発生するという事になる。

炭素(C)の分子量を12、水素(H)を1、酸素(O)を16とした場合。

レジ袋の重量を測定したところ、手提げ部分も入れて、53cm×30cmの一般的なサイズの袋で7gであった。

レジ袋

レジ袋 レジ袋

ポリエチレン28gを完全燃焼させた場合に発生するCO2の量は88gだから、7gのレジ袋を完全燃焼させた場合に発生するCO2の量は22gとなる。

ということで、大和ハウス工業のCMのように、レジ袋を断るくらいで62gのCO2排出を減らすことは出来ない。レジ袋20g程度(3袋程度)断ることで、62gのCO2排出を減らすことは出来るかもしれない。

そもそも、発電などのため、原油や石炭を燃やして発生するCO2と、様々なことに使用した後のレジ袋を燃やし、発電などにも使った場合に発生するCO2は同じだろうか。
インチキ環境情報もはびこる中、正しい知識でこの問題を考えたい。

レジ袋製造段階からのCO2排出量は次の記事で計算してみた。

レジ袋を減らすとCO2はトータルでどれだけ減るのか?

参考

その辺にあった袋の重量

いなげや 53cm x 30cm 7g
丸善 36cm x 24cm 7g
紀伊國屋書店 36cm x 24cm7g
ヨドバシカメラ 29cm x 19cm 6g

トレイの材質は発泡スチロールなので、ポリスチレン
ラップの物質は様々な物があり、何が使われているかは、よくわからない。

報道特捜プロジェクトのプラスチック再利用について

日本テレビで2008年7月19日に放送された報道特捜プロジェクトを視聴した。
そもそもこの番組は、一ヶ月前に放送する予定だった物だが、地震の影響で放送が遅れた物。

容器包装リサイクル法自体、始まったときから様々な問題があった物だが、今頃検討するのかよと言いたい。
これから変える方向になると言うことだが、現在の利権で金儲けしている人たちからの反発でどうしようもない物になる可能性もある。消費者としてこうなって当然だろうという、正しい方向へ導いてくれることを期待する限りであるが、そもそも消費者はプラスチックの知識は当然として、リサイクル自体の知識がほとんど無いので、何が正しいか判断できないのではないかとも思う。

そもそも、プラスチックをリサイクルするのは非常にコストがかかる。番組の中ではマヨネーズの容器まで水で洗って再利用するプラスチックとして集めていたようだが、水で洗うことでの環境への影響を考えたら、マヨネーズのような容器は燃やしてしまった方がよいのではないか、という疑問くらい、消費者として持って欲しい物だ。

プラスチックを産業廃棄物として埋め立てていたことを問題にしていたが、そもそも埋め立てるくらいなら、燃やして発電し、エネルギーとして再利用した方がいいと個人的には思う。

この番組を見ていて確実に言えるのは、あのハンガーは再利用品ではなく、ほぼ新品のポリプロピレン100%で作ったのだろ言うと言うこと。IRのチャートを見ればほぼ確実だ。
ハンガーの工場を見せなかったのも、それを知られたくなかっただけのことだ。

こうやってリサイクル品を分析するような事が出てくると、リサイクル品だからちょっと高く品質が低いというようなことを利用して、分析してもリサイクル品っぽく見せるインチキリサイクル商品が出てくるような気がしてならない。