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報道特捜プロジェクトのプラスチック再利用について

日本テレビで2008年7月19日に放送された報道特捜プロジェクトを視聴した。
そもそもこの番組は、一ヶ月前に放送する予定だった物だが、地震の影響で放送が遅れた物。

容器包装リサイクル法自体、始まったときから様々な問題があった物だが、今頃検討するのかよと言いたい。
これから変える方向になると言うことだが、現在の利権で金儲けしている人たちからの反発でどうしようもない物になる可能性もある。消費者としてこうなって当然だろうという、正しい方向へ導いてくれることを期待する限りであるが、そもそも消費者はプラスチックの知識は当然として、リサイクル自体の知識がほとんど無いので、何が正しいか判断できないのではないかとも思う。

そもそも、プラスチックをリサイクルするのは非常にコストがかかる。番組の中ではマヨネーズの容器まで水で洗って再利用するプラスチックとして集めていたようだが、水で洗うことでの環境への影響を考えたら、マヨネーズのような容器は燃やしてしまった方がよいのではないか、という疑問くらい、消費者として持って欲しい物だ。

プラスチックを産業廃棄物として埋め立てていたことを問題にしていたが、そもそも埋め立てるくらいなら、燃やして発電し、エネルギーとして再利用した方がいいと個人的には思う。

この番組を見ていて確実に言えるのは、あのハンガーは再利用品ではなく、ほぼ新品のポリプロピレン100%で作ったのだろ言うと言うこと。IRのチャートを見ればほぼ確実だ。
ハンガーの工場を見せなかったのも、それを知られたくなかっただけのことだ。

こうやってリサイクル品を分析するような事が出てくると、リサイクル品だからちょっと高く品質が低いというようなことを利用して、分析してもリサイクル品っぽく見せるインチキリサイクル商品が出てくるような気がしてならない。

ペットボトルの見分け方

ペットボトルは、原料のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を加工して作る。

簡単に流れを書けば、樹脂のペレットを試験管状のプリフォームという物に加工。その後そのプリフォームをふくらましてボトルの形状にする。

非常に簡単に書けばこうなるが、他のプラスチック製品を作るよりもいくつか難しい行程がある。特に難しいのがプリフォームの加工だが、これは射出成型という成型方法で作るが、プラモデルや洗面器などと同じ成型方法だが、プリフォーム専用の様々なノウハウがあり、最も難しい部分。

日本のペットボトルに良くある口の部分が白いのは、プリフォームの口の部分に熱をかけて結晶化させるが、ここも比較的難しい部分だ。

それに比べると、プリフォームを膨らまして、ボトルの形状にするのは加工機の性能が高いと言うこともあり、難易度が低い。ちょっとした技術者なら数日訓練を受ければ、誰でも出来てしまうような物というと簡単すぎるが、単なる作業員として機械を動かすだけならそれで十分。

ということで、最近は飲料メーカーが自分でボトルを膨らましているケースが良くある。

プリフォームまで作るところは、大手以外ではまだ少ないが、プリフォームを買い、自社で膨らまして作るというのは良くやれれている。

ガラス瓶やアルミ缶などは、容器業者しか作れなかったが、ペットボトルは容器業者でなくても作れるというプラスチックの利便性を十分に生かした製品。

前置きが長くなったが、ペットボトルのどこをみるとどこのメーカーが作ったのか認識できるので紹介しよう。

Santory Iemon

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上はサントリーの伊右衛門、下は適当な飲料の物。
サントリーは大手なので、自社でボトルを膨らましており、ボトルにSUNTORYと書かれている。下のは、容器メーカー大手の吉野工業所のもの、Yのマークが吉野工業所のマークである。他によく見かける大手飲料メーカーの物では○の中にCANと書かれた物がある。これは東洋製罐のものだ。

Coca Cola

これは、コカコーラのボトルで、CCEJPと書かれている。Coca-Cola East Japan Productsの略で、これもコカコーラでボトルを膨らましていることがよくわかる例だ。

Crystal Geyser
これはクリスタルガイザーのボトル底部分だが、上で紹介した日本製の物とあきらかに違いがある。
それは中心部分がきれいになっているのときれいになっていなく、白っぽくなっているという点だ。これはプリフォーム成型時によるもので、一般的に海外製ペットボトルは白っぽくなっているが、日本製はきれいになっているという違いだけを今回は書いておこう。

Coca Cola
ちなみに、日本製でも、このようにボトル中心部付近に若干白い物がみえるが、これはプリフォーム成型時に出来る物。これを消すのはかなり大変だ。

プラスチックを分解するバクテリアは手放しでは喜べないの補足

プラスチックを分解するバクテリアは手放しでは喜べないには、プラスチックをバクテリアが分解すれば、環境問題に注目している人が、これで環境問題が解決されるとか言いかねないため。

工業材料として様々なところで使われているプラスチックが分解されてしまうことで、いろんなデメリットもあるということを紹介するするために。

工業材料としては使えなくなってしまいかねない。

デメリットもあるので、このような技術は実用性も含めじっくりと研究する必要がある。

と書いて、バクテリアがどんな動きをして、プラスチックがどの程度分解されてしまうのか、現在使われている物はどの程度使えるのかまで含めしっかり研究する必要があると書いたが。

プラスチックを分解するバクテリアはプラスチックを工業製品から排斥するか

ポリエチレンを工業的に使用できなくなるってのは短絡的。

と書かれたので補足しておく。

基本的にプラスチックは紫外線や経年劣化などにより性能が落ちることは想定されていても、バクテリアに分解されてしまうことは想定していない。プラスチックは、半永久的に使える材料として使われている。

ポリエチレンを分解するバクテリアがその辺の土に含まれるようになり、それが30℃程度の温度でポリエチレンを分解すると仮定すると。

例えば、車のガソリンタンクに使われているポリエチレンを考えると、車は走っていると泥がつくこともある。
ガソリンタンクは車の内部の奥まったところにあるが、 何らかの拍子に泥がついてしまうこともあるだろう。さらに車の内部は温度が高い。最近のプラスチック製ガソリンタンクは多層になっているため、ポリエチレン100%ではないからあまり問題ないだろうが、泥がついたことで穴があいたり、その部分の性能が落ちてしまうようなことがあれば様々な問題が生じる。

電線の被覆材料に使われているポリエチレンの場合、家の中の配線類ならほぼ問題はないが、地中に埋めている場合もあり、電線は全て大丈夫だとは言い切れない。

灯油の容器に使われている物などは、消費者がどんなところに置くかはほとんど考えられておらず、土の上に置いたら知らない間に穴が開いていたとなると問題だ。

水道管はともかく、ガス管の場合、漏れた場合はガス漏れ事故になり処理が大変だ。
水道管やガス管の表面にバクテリア対策の処理をすればいいと思う方もいるだろうが、このような配管の場合単に細長い管の表面に処理すればいいだけではなく、各管の接合部分はどうするのか、土木工事の時に傷ついたらどうするのかなど考えるべき点はたくさんある。

また、バクテリアが広まってしまった場合、そもそも世界中に埋まっている配管などの安全性はどうなのかという点も注目したい。

もしもプラスチックを分解するバクテリアが実用になり、世界中に広まってしまうような場合、過去の物はともかく、今後の製品に関しては、添加剤でどうにかするというのが現実的なところかな。

100年後とかにプラスチックが使われているかどうかはともかく。

プラスチックを分解するバクテリアは手放しでは喜べない

プラスチックを短期間に分解するバクテリアを高校生が特定したらしい。

一般的にレジ袋などに使われているプラスチック製の袋はポリエチレン製だ。
ビニール袋という呼ばれ方もしているが、ビニール袋の語源である塩化ビニルなどが使われていたのは20年以上前であり、今時ビニール製の袋なんかほぼ存在していない。

現在最も普及し、環境問題で問題となっているプラスチック製品はいろいろあるが、全世界で使われて困っているのがポリエチレン製の袋。
そのポリエチレンを分解するバクテリアを特定したらしい。

『The Record』紙の記事によると、Burd君は、土にイースト菌を混ぜ水を加えたものの中に、粉状にしたプラスチックを入れて、30度にした。すると、自然界に放置した場合より早く、プラスチックが分解された。

プラスチックを短期間で分解するバクテリア、高校生が特定 WIRED VISION

First, he ground plastic bags into a powder. Next, he used ordinary household chemicals, yeast and tap water to create a solution that would encourage microbe growth. To that, he added the plastic powder and dirt. Then the solution sat in a shaker at 30 degrees.

WCI student isolates microbe that lunches on plastic bags The Record

記事によれば、粉末状にしてというのがあり 、フィルムそのままの状態やもっと大きな形状でどの程度効果があるのか知りたいところだが、特定のバクテリアがポリエチレンを分解し、その条件が特定されれば、環境問題としても、石油化学工業としても大きく注目されることは確実。

プラスチックは半永久的に使用可能で、土に埋める水道管やガス管も、50年は使える性能(キーワードはPE80やPE100)ということで採用されているが、土にあるバクテリアが分解してしまうとなると話は違ってくる。

また、電線の被覆材料や自動車などにも使われているが、バクテリアにより分解されるとなると、それらの工業材料としては使えなくなってしまいかねない。

プラスチックを手っ取り早く再利用する最良の手段は、燃やして発電などに役立てることだが、ゴミ問題としては バクテリアは役立つだろう。しかし、デメリットもあるので、このような技術は実用性も含めじっくりと研究する必要がある。

補足はこちら

ガソリン価格高騰で本当に困っているのはアメリカ人

日本でガソリン代が5月から上がったが、これは上がったと言うより元に戻っただけ。
一ヶ月間は政治的な問題による単なるバーゲン価格だったわけだが、この価格上昇に怒り心頭の人は多いらしい。

日本のガソリン価格は、ここ20年くらい1リッター100円から150円くらいをさまよっていたと記憶しているが、現在はこれが多少高くなったくらいでたいしたことない。

これに比較し、圧倒的な車社会であるアメリカではガソリン価格がここ10年ほどで3倍ほどになっている。

Retail Gasoline Historical Pricesより

1991年 1.1ドル
1995年 1.2ドル
1999年 1.1ドル
2002年 1.4ドル
2005年 2.1ドル
2008年 3.6ドル
(各5月頃の価格)

1ガロン(約3.8リットル)あたりの価格なのでわかりやすいように1リットルあたりの円(1ドル110円とする)で表記し直すと

1991年 32円
1995年 35円
1999年 32円
2002年 41円
2005年 61円
2008年 105円

となる。

つい10年ほど前は日本の1/3で売られていたものが、2000年頃から急激に上がり始め今では3倍。
これでも日本よりは安いが、地方以外では、日本ではバスやら電車やらで十分生活ができるが、アメリカでは都会でも一部都市をのぞき、本当の意味で、車がなければ生きていけない。

ガソリン価格高騰でもっとも困っているのはアメリカ人だろう。

なぜ、ここまで高騰してしまったのか。根本原因は、アメリカ人ならよくわかっているのかも。

http://en.wikipedia.org/wiki/Mission_Accomplished