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Amazon以外から直接買う電子書籍

電子書籍は将来起こりえるプラットフォームの衰退による問題を考えると、AmazonのKindleか、楽天のKoboのどちらかと考えている方が多いと思います。

この2つも5年後は大丈夫でしょうが、10年後はわかりません。
実際の所、正解は特定のプラットフォームに依存しないPDFやePubなどによる直接の購入です。

PDFやePubで直接購入できる出版社を調べました。(PDFなどは罠があるかも知れないので購入時は注意しましょう)

自分で電子書籍を直接販売している出版社

オライリー・ジャパン
https://www.oreilly.co.jp
ePub、PDF

インプレス
https://book.impress.co.jp
PDF

翔泳社
https://www.seshop.com
PDF

マイナビ出版
https://book.mynavi.jp
PDF

他に見つけたら追加します。

無い所

SBクリエイティブ
秀和システム
MdN
小学館
講談社
集英社
新潮社
学研
かんき出版

2021年12月17日調べ

All About編集部の電子書籍について

私および、他の方がAll Aboutで執筆した物が、All About編集部と名乗る著者による電子書籍としてGoogle PlayやiTunes Bookstoreなどで大量に販売されています。

これは、株式会社オールアバウト(2454 JQS)が編集して電子書籍化し、各ストアで販売している物で、実際の著者はここに関わる件には一切関わっていません。

唯一の関わりは、オリジナル版のWeb記事を執筆したという事実と、その時に原稿料を受け取ったことでしょうか。

電子書籍版については、何をどこのストアで販売するかも事前に知らされたりすることはなく、各著者は何気なく各ストアをみていたら、そこに並んでいる物を発見して驚いている次第です。

まとめると、私(上倉賢)を含め、各著者はこの件に関して一切の関わりがありません。

株式会社オールアバウトによるiTunesでの配信の件で電子書籍のガイドがこの件を解説をしているとあります。
この電子書籍ガイドというのは株式会社オールアバウトの社員であることがプロフィールに書かれています

以上により、この電子書籍自体に関する質問や問い合わせ等は、すべて株式会社オールアバウトにお願いします。

株式会社オールアバウトのリンクはこちら

自炊代行よりスキャンレーションの方が深刻

超有名作家がスキャン代行事業(自炊代行)を違法とする目的で2011年12月に大規模な弁護団を結成して一部の小規模な事業者を告発したが、実際のところスキャンレーションの方が問題だろう。

超有名作家などは自炊代行自体が違法行為で、自炊代行事業者が、データだけ販売するようになったり、裁断済みの本を売るようになるから問題だと主張しているようだが、多くのまともな自炊代行事業者はそんなことしていないだろうし、今後もしないだろう。
将来はそんな業者が出てくるかもしれないが、すでにスキャン後のデータは自炊代行などが出てくる前から様々な本であったし、今でもネット上のどこかで出回っているだろう。

自炊代行事業者が実際には裁断およびスキャンをしないで、すでにスキャン済みのデータだけを渡しているだけなら、それは本に書き込みしておけばすぐにわかる。
裁断後の書籍を売るのは、自分で裁断した本なのかもしれないし、裁断してスキャンしたがデータ自体を捨てた上で売っているのかもしれないし、わからない。
CDをリッピングして売ったり、レンタルしてリッピングするのと何が違うのか。

それよりも問題なのが、スキャンレーション(Scanlation)だ。
日本の漫画などが発行されたら、自炊代行事業者など関係なしに自分で裁断しスキャンした上で、台詞を翻訳し、ネット上にデジタルデータを置き、多くのユーザーは日本で発行されたのとほぼ同時に作品を楽しめている。
台詞の翻訳はファンサブ(fansub)といい、多くの場合その作品が大好きな一般ユーザーによってされるので、商業翻訳の洗練さは無いかもしれないが、クオリティは非常に高い。このファンサブは漫画だけではなく、映画やテレビドラマなどもあり、全世界のあらゆる作品があらゆる言語で行われていると思っていい。

大規模な自炊代行事業者を牽制するまでも無く、とっくの昔から作家が懸念していることは全世界レベルで行われている。

スティーブ・ジョブズの公認伝記の価格 日本はやっぱり高い

ウォルター・アイザクソン著による本人公認の伝記(評伝)が2011年10月に発売になる。

日本版は
スティーブ・ジョブズ I
スティーブ・ジョブズ II
というタイトルで2冊になり、合計3,990円。

オリジナル版は英語でタイトルはSteve Jobs、定価は$35。
アメリカではこの手の新刊を定価で販売する本屋はほぼ無く、Amazon.comでの価格は$17.88(10月7日現在)、Kindle版は$11.99(これは発売前キャンペーン価格で発売直後は$17.29)。
Barnes & Nobleでは$17.88、Nook(B&NのeBook)版は$16.99。

フランス語版は€25、Amazon.frで€23.75。
ドイツ語版は€24.99(Amazon.de)、Kindle版は€19.99。
イギリス版は定価£25でAmazon.co.ukで£16.99、Kindle版は£12.99。
台湾版は定価800元で売値599元(books.com.tw価格で日本円で1500円ほど)。

日本からは確認が出来ないがiBooksでも$17か何かで販売されるという。

ということで、国によって状況は異なるが、日本では2冊になっていつもの事ながら価格も高くなることがよくわかる例である。


スティーブ・ジョブズ I
スティーブ・ジョブズ II

電子版を無料公開した後に紙という流れ

現在、まとまった情報を一気に提供するなら、紙に文字を印刷して製本した書籍という形にするのが一般的だ。
提供側としては、まとまった情報を一気に書く事は出来ないので、少しずつ書く事になるが、製本した書籍は最終的にすべてが形にならない限り公開できない。

ビジネス書などは、1つのテーマの本であっても章ごとなど細かな単位で公開できるので、順番はどうなったとしても、少しずつ公開するのにはあまり問題は無い。
小説の場合、始めから読まないと意味が分からなくなるが、連載小説などは少しずつ書いていく事がほとんどなので、これも少しずつ公開するのには基本的に問題は無い。

こういった現状があるなら、出来次第公開していけば、筆者にとって執筆中も収入を得られ、読者も早めに読めるようになる。
問題は有償で販売する予定の書籍との関係をどうするか、公開の方式をどうするのかという点だろうか。

最終目標が製本した書籍だとしても、途中段階では電子的な公開手段を選ぶしかないだろう。
電子的に公開した段階で電子書籍になるわけだが、章ごとの公開ならともかく、ちまちまとしたものをどうやって課金していくかという問題がある。
ユーザーから課金した場合、無料公開に比べ読者が激減するだろう。スポンサーから得るのが手っ取り早いが、その中でも最も手っ取り早く収入になるのが、どこかの商業サイトに寄稿する事。その次に現実的なのが、自分のブログなどに広告を掲載するという点。

どこかに寄稿した場合、それなりのアクセス数を求められ、継続してかけるかどうかはわからない。自分のブログにしてもそれなりにアクセスが無ければ広告料金は期待できない。

書籍を出したとしても多くても数万部な現在、ある程度のPVがあるならWebで無料公開したとしても実害はなさそうだ。実害よりも、電子版で人気があるなら製本した書籍でもそれなりに売れる可能性もあり、電子版を先行して製本書籍版を出すという流れの方がいいのかもしれない。