次世代据え置きゲーム機(次世代Wiiとか)にHDD搭載はない件

2011年以降に登場する次世代据え置き型ゲーム機は、HDDの搭載はなくなる可能性が高い。
唯一Xbox 360のようなどちらかといえばコアゲーマーに好まれる次世代機には、現行機と同じように大容量HDD搭載モデルと、HDD無しモデルのような2モデル体制で出てくる可能性もあるが、HDDモデルは主要モデルではなくなるだろう。

HDDは無くなるが、ある程度のストレージは必要だ。各種セーブデータに加え、少なくとも基本的なゲームプログラムの保存用に。このデータ保存には、SSDなどのフラッシュメモリを採用するようになるだろう。

HDDは大容量なら1万円などの価格になる事もあるが、容量が少なくなったとしても、機械部品などがあるため3000円程度を下回ることはない。この価格はこれ以上大きく下がらないし、現行で最も小さい1.8型HDDを使用したとしても、それなりの物理的サイズが必要になるし、発熱などの処理も必要だ。また、モーターなどの可動部分があり、ゲーム機という気軽に取り扱われるホビー製品でもあり、いきなり電源断になったときなどの電気的な対策も必要となり、HDDは使用するだけで高コストな部品となる。

一方、HDDの代わりとなるフラッシュストレージは単なる半導体部品の一つなので、安ければ数十円で入手可能となる。もちろんある程度の容量は必要なので、数百円から数千円のコストがかかる物の、このコストは年々低下する。
現在のゲーム機で、低コストながらそれなりに十分な容量となるのが8GBや16GBで、このコストは2011年中盤に高く見積もっても1000円から2000円程度となる。フラッシュメモリのテクノロジは年々進化し、将来は確実に同コストで大容量になる。ゲーム機本体の発売から数年後のモデルでは、同価格で内蔵ストレージ容量は倍増するような事も可能になる。もちろん、ゲーム機本体にはそれを見越した設計が必要になる。

本体価格が2万円から3万円程度になることを考えると、ストレージ部分のコストがその1割以下になるというのはバランス的に都合がいいだろう。
例えば16GB程度の容量では、比較的小さいゲームならそれなりの数を確保できるしセーブデータだけなら大量に保存できる。しかし、大規模なゲームをダウンロードして楽しむような事になると、1本入るか入らないかという容量で多くはない。

そのために、比較的大容量のストレージが必要になるが、これはSDXCが使われるようになるだろう。
64GBのSDXCカードは比較的高コストだが、2011年中頃現在、下位規格のSDHCなら32GBで5000円程度のコストで一般ユーザーが容量を追加することができる。
当然ながら2012年以降に登場するゲーム機が普及するだろう2013年頃には、フラッシュメモリのコストが下がっているだろう。128GBのSDXCカードが5000円程度で入手できるようになっているかもしれない。このくらいの容量なら、HD動画や大容量のゲームも数本余裕で保存することができる。
このくらいの容量が将来はさらに低コストになるフラッシュストレージで実現可能になるなら、どうしても一定の価格からは下がらなく、故障率も半導体部品より高いHDDは搭載されなくなるだろう。

その頃になると、ゲームやHD動画は随時クラウド上からダウンロードするのも一般化し、必要最小限の容量さえあれば十分になり、クライアント上に大容量のストレージは必要ではなっている可能性もある。