トヨタ ヴィッツの思い出

トヨタのヴィッツ(Vitz)は、そこそこ安くてコンパクトなので、アジア圏なんかの日常使いには便利な車で委員ではないかと思っていた。この辺りはヴィッツに限らず、他社の同様コンセプトの車でも同じだろう。いろいろあって選ぶのが面倒なので、トヨタという大メーカーのブランドで、適当にヴィッツを選んで問題ないだろうと。

しかし、2011年4月に初めて乗ってその認識は変わった。
そもそも、日本ではなくアメリカのLAでレンタカーを借りて乗ったわけで名称もYarisだが、このときの印象が悪い。
中途半端な空港にあった大手レンタカー会社のHertzで、いつものように安めのレンタカーとして借りた訳だが、なぜかキーのリモコンが壊れていて使えない。壊れているのは借りるときから壊れていると聞かされていたが、それはまあいいとする。

乗ってみて思ったのが、安っぽいということ。
日本では必要がないので、車は持ってないし、運転もしないが、とにかくすべてが安っぽい。通常、LAでは1800ccクラスからそれ以上のセダンもしくはSUVを借りることが多く、なぜかクライスラーやフォードになることが多いが、この日本車はすべてが安っぽい。
価格が安いので当たり前かもしれないが、エンジン、足回りなど、運転のしやすさ、その他諸々はよくわからないが、乗っているときの安心度みたいなのは上位クラスの車に比べ、完全に劣っている。
もう少し高いクラスの日本車が安っぽいことはないし、Lexusなんかは悪くないと思うが、日本車全体のかっこわるさは共通。

YarisはLAのハイウェイで80マイルくらい出そうものなら、他の一般的な車よりだいぶ安定度がかける。近所のモールに行くだけくらいならいいが、日本人が思うLAは関東平野くらいの広さがあり、鉄道網もほぼ無いに等しいので、ハイウェイでの移動が欠かせない。
もしも、LAに住むことになったら、こんな車は日常安心して乗れないのでいくら安くても選ばないだろう。もちろんLAでは道ばたで中古車が販売されている(駐車してる車に売りますと書いておく)くらいの市場で、車を選び放題という環境にあるのもある。

日本で選ばなければいけなくなったなら、この程度のサイズの方が道が狭いので運転しやすいと思うが、今回印象が悪くなったので、他のメーカーの車から選ぶことになるのだろう。
その結果どれも安っぽくてという事なら、値段でヴィッツになることもあるのだろうが。

また、LAでは日本や韓国車も多く走っている。10年以上前の車もよく走っており、車種自体日本の数倍で、同型車種を見つけるのも大変だが、数日間の運転中、日本ではよく見かけるこの車を見かけた記憶がない。そもそもUS市場で売れているのだろうか。

安っぽさは数日乗っていたらなれてしまったが、ただ単に安くてコンパクトなだけの車を好きになるような車を好きはLAにはいないだろうし、わざわざ選ぶこともないだろう。

【トヨタ ヴィッツ 試乗】自動車好きを唸らせるのはもう無理?…河村康彦