韓国ソウル旅行記 軍事境界線ツアー その1 有刺鉄線だらけの国

Korea Seoul River

韓国で驚くことの1つに、本当に戦時中なんだなと言うことが、ソウル近郊でも実感できること。
どこの国でも、軍隊があったり、軍事基地があればそれとわかるが、韓国の場合はソウル近郊を流れる川でもその景色が尋常ではないことがわかる。

東京で言うところの、荒川や多摩川に当たるような漢江(ハンガン)、臨津江(イムジンガン)の横に高速道路が走っているが、日本ならのどかな光景が広がる河原には、有刺鉄線により人が入れないようになっており、所々に小屋が建っている。
これは、韓国国民が入れないようにしているのではなく、北朝鮮が川から入ってこないようにするための物で、小屋も兵士が川に不審人物がいないか確認するための物である。
これは、東京で言えば、埼玉と群馬の間に国境があり、新宿から出発して、さいたま市あたりに流れる荒川でそうなっているのだから、日本人にはとうてい想像も出来ない光景だ。

さらにしばらく走ると、ソウル近郊ではよくわからなかった、道路を封鎖するためのでかい看板風構造体が建ててあり、何かあったときは、上に作られたコンクリートのかたまりを下に落として戦車などの侵入を防ぐのだという。
国境近くでも看板になっているが、明らかに道路上におかしな構造体であるから一見すればわかるが、ソウル近郊でもこのようなものはいくつかあるのだという。

本当に国境近くになると、検問所があり、その近辺からは許可のない場所での一切の撮影が禁止になる。もちろんバス内からの撮影も禁止。
検問所に入るのも、わざわざ蛇行しなければならないようになっていたり、検問所ではパスポートによる身元チェックが軍人により行われ緊張感が増す。

Korea DMZ

北朝鮮との国境近くを見学するには一部の場所を除いて、個人旅行では不可能で、必ずツアーに参加しなければならない。
バスには、40名程度乗れるが、何か問題を起こすような行動が1つでもあればツアー自体が即中止になると脅されているので、係員の指示には全員服従。
日本からの観光客は多いらしく、日本人用のバスが仕立てられ、それとは別に、欧米人用のバスがありそちらは英語による案内になるようだ。
そもそも、このツアーに参加できる国籍も限られており、東南アジアでは、日本とフィリピンなどの限られた国からの参加しか認められていないのだという。

服装も規制されており、ミニスカートやジーンズ、靴も規制の対象。
しかし、一部の情報ではデニム素材は全て禁止とあるが、最近の破れたり、極端に脱色しているようなジーンズでなければ、板門店ツアーでも許可されるようだ。
この判断は、現地の軍人がするため、万が一服装に問題があると判断された場合、バスに数時間乗っても、そのツアーに参加することが出来ない場合もあり得るようだ。

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