ドラクエ9は過去最高の完成度

2009年7月に発売になったドラゴンクエストシリーズ最新作、「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」を2週間ほどやり、あとはコツコツとやり続けるしかない所まで来た。
このゲームの最大の売りは、ストーリーではなく、ストーリーを終わらせた後や、脇道にそれてのやり込み要素だ。

この手のRPGと言われるゲームは、一通りストーリーを終わらせた後はすることが無くなるというパターンだった。最近では、一通りやったら中古市場に流してしまうというパターンを防ぐためか、ストーリー以外の部分も充実している。
よくあるのが、アイテムを集めたり、主人公のキャラクターを強くしたりするなどの要素を追加することだが、あくまでもおまけ的な部分だった。
しかし、今回のドラクエ9に関しては、このやり込み部分がメインであるかのような充実した内容となっている。
それも、DSのWi-Fi通信を使って発売後1年間クエストと言われるイベントが追加されるので、これを全てクリアするには最低でも発売後1年はかかるというものだ。

しかし、発売日前後にはユーザーからネガティブな意見が多数出てきたようだ。

例えば、
セーブデータを1つしか保存できない。
ゲーム内に登場する妖精のキャラクターが気持ち悪いし、喋り方が下品。
グラフィックが荒い。
やり込み要素が時間かかりすぎる。
など。

セーブデータが1つしかないと、1つのゲームソフトを複数人でやったり、いったんセーブして他の条件で試してみるとかの遊びが出来なくなる。
しかし、このゲームは後述するが、他人と通信することで楽しさが倍増するソフトであり、1つのソフトの複数人のデータを保存するというのは向いていない。
また、セーブデータをいくつも保存するほどのゲーマーなら、1人で複数台の本体とソフトを使って楽しんだ方がいいのではないかとも思えてしまう。

妖精がゲームに登場し、たびたび主人公にちょっかいを出すという内容になっているが、この妖精の肌の色は茶色で、メイクがいわゆるガングロ風になっている。喋り方はいわゆるコギャル風だ。
個人的な解釈では、有色人種の妖精が派手なメイクで、若い女性風な喋り方をしているだけに思えるが、これを嫌う人がいるらしい。
そんな人は、妖精は白い肌で、喋り方はおしとやかなどという勝手なイメージを作っているのだろう。それが焼いたのかどうかは別にして、肌の色の好みを云々するのは、人種差別につながることであり非常に危険な発言だと思っている。それを軽々しくできるのも事実上、単一民族の日本ならではの現象だろう。
喋り方についてはたしかに鼻につくところはあるかもしれないし、実際に使われている表現ではないというのも確かかもしれないが、それっぽいという点では比較的良くできているのでは無かろうか。

グラフィックが荒いというのは、DSの性能の限界でもありこれ以上何を望んでいるのかよくわからない。PS3などで、HDの画質で綺麗なムービーを含めてみたいと言うことであれば、ファイナルファンタジーシリーズでもやればいいと思う。

やり込み要素に時間がかかりすぎるのは、確かにその通りだ。
出現する確率の低い敵に、成功の確率の低い攻撃手段を10回成功させろなどといわれるとめげてくる。
また、アイテム集めなども単に面倒なだけと思う部分が多数ある。
しかし、これはあくまでもやり込み要素であり、それ以外にも時間ばかりかかる要素はたくさんある中の1つだ。やりこんでいると、1つ1つは、全体からするとたいしたことないとも思ってしまうくらい、膨大なやり込み要素がある。
プレイ時間が100時間を超えるようだと、それをクリアするのに1時間程度かかるものだと、たいしたことないとも思ってしまう怖さがある。

発売当初のネガティブ感想はあくまでも、今まで通りのストーリーを楽しむドラゴンクエストの発売を待ちわびた方々による発売直後の感想であり、多くの一般ユーザーのそれとは異なる。
少なくとも、都会でのすれ違い通信での遭遇度から考えると、ほとんどのユーザーはこのゲームを十分に楽しんでいることがわかる。

なによりも、このゲームで一番楽しいのが、Wi-Fi通信を使ったすれ違い通信やマルチプレイ。
マルチプレイは珍しい機能ではないが、すれ違い通信では、宿屋にお客を呼び込むという設定で、その客とお宝マップを交換できる。
このマップは自分出すことも出来るが、レア地図と言われる、滅多に出ない地図を交換できたりするのが楽しい。

レア地図は、あまり出てこないはずのアイテムがたくさん出てくる地図、レベルアップ向けの地図、ゲーム内のお金稼ぎに最適な地図などいくつかあるが、これらを集めるのも楽しい。
また、それを集めるために人が多くいるところに実際に行く必要があり、ゲーム内だけではない冒険を楽しめるというのは携帯ゲーム機ならではだろう。

現時点で言えるのは、過去のドラゴンクエストシリーズ中、最高の完成度とおもしろさがあるし、日本の人口密集度と、販売数から、現在の携帯ゲームの機能を十分に生かしたゲームだと思う。

ストーリー攻略後からが長いゲームで、取り立てて大きなストーリーはないが、矢野徹がウィザードリィ日記を書いたように、ドラクエ9日記的な物を誰かが書いたとしてもおかしくないほどの魅力が含まれていると思う。