現在の携帯電話とPCの世界出荷台数はざっと見て、携帯電話が10億台、PCが2億台。
この数はこれからも伸びる可能性はあるが、携帯電話は世界人口もあり数年以内に飽和するだろう。PCはまだまだ需要はあるだろうが、価格が高いためそう簡単に伸びることはないだろう。
ここで注目なのは携帯電話以上、PC未満でコストも安くネット接続ができる端末。
この市場はASUSのEee PCでそれなりに需要があることがわかったが、ユーザー層はまだまだ一部に限られる。
WiMAXが世界で成功するかどうかは別にして、無線接続環境が全世界で今以上に普及するのは確実だろう。
そうなると、小型の端末でネット接続環境が今以上に重要になってくるわけだが、この分野をにらんだハードウェアをインテルやVIAなどが提供し始めている。
もちろん、すぐに各端末が売れるわけではないだろうが、数年後を見据えた投資を始めていることから、各メーカーが注目していることはよくわかる。
この分野が普及した場合の台数は未知数ではあるが、PC市場の一部と携帯電話市場の一部を奪いながらも年間数億台単位で売れる可能性がある。
インテルのAtomは1万円前後と非常に安い価格設定だが、数が出る分野だけにPCに次ぐ成長の柱として投資に見合う利益を出すことはできるだろうし、VIAやAMDはもちろん、ARMなどもよりパフォーマンスの高いものを出してくるだろう。
ハードウェアはともかく、この分野に注目する方は、OSやUIに投資をするのがよい。インテルのAtomならPCと同じようにx86互換であり誰でもソフトウェアを開発できる。
初期のUMPCやMIDは一般ユーザーや対応ソフトなどからWindows VistaをOSに搭載するものが多いようだが、はっきり言って小型のPCでWindows Vistaをそのまま使うのは使いづらすぎる。
この分野の本命OSはMac OS XのようにUNIXベースになる可能性もある。邪悪なOSが市場を支配する前に、ユーザー主導のOSが普及すれば、この市場もよりおもしろくなるかも。