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カレーライスの源流を探る ライスカレーからカツカレーまで

日本でカレーといえば基本的にカレーライスのことを指すが、最近ではインド料理のカレーと混合しやすい。カレーライスのことはカレーと省略せずにカレーライスと書くべきだろう。

そのカレーライスだが、ヱゲレス(イギリス)海軍の料理を、日本海軍が独自にアレンジした物が日本で普及し、国民食といわれるまでに親しまれている料理である。カレーライス自体は、好みや材料の違いにより味が無限にあるが、日本の元祖といえる味のカレーライスを提供している店がいくつかある。

現在の海上自衛隊で提供されているカレーライスは、各部隊などにより味が異なる。横須賀などには元祖といえるレシピを再現したようなカレーライスを提供するそれっぽい店もあるが、その雰囲気を味わえるだけで、元祖とは言えない。

日本で初めてカレーライスを料理として提供したのは、東京の風月堂のようだ。
東京風月堂のWebサイトによれば、1877年(明治10年)にフランス料理店としてオムレツなどと共にカレーライスが8銭で提供された。
現在も、上野風月堂などの喫茶コーナーでカレーライスが提供されているので、当時の雰囲気を味わうなら風月堂から始めるのが良いだろう。

そのカレーライスをアレンジした物として、1910年(明治43年)に大阪の自由軒が混ぜカレーを名物カレーとして提供し人気になった。

より本格的なカレーライスとしては、1927年(昭和2年)に当時一般的なカレーライスが10銭程度だったところ、新宿中村屋が80銭で提供した純インド式カリーはたちまち大人気に。1928年(昭和3年)に開業した資生堂パーラーはカレーとライスを別盛りで提供といったところが本格的高級カレーライスの元祖となる。

また、トッピングは今では当たり前であるが、初めてカツとカレーライスを組み合わせたのが、銀座グリルスイスの千葉さんのカツカレーと言われている。
しかし、本当の元祖といえるのは、とんかつ河金の河金丼という説が有力だ。
こちらは大正7年に浅草のトンカツ屋だった河金が、カツ丼にカレーソースをかけて提供したという。現在、浅草には店はなく、台東区入谷にあるのれん分けした店でこの味を楽しめるようだ。
銀座グリルスイスの千葉さんのカツカレーは、1948年(昭和23年)に読売巨人軍選手の千葉茂さんの発案によって、現在のスタイルのカレーライスが誕生したと言われている。
しかし、大阪の難波に元祖カツカレーのカツヤという店もあり、カツカレーの元祖はどこなのかは定かではない。
細かいところはともかく、このあたりの3店で、味の違いを楽しみ、そのルーツをたどるのが楽しいのかもしれない。

東京風月堂
上野風月堂
自由軒
新宿中村屋
資生堂パーラー