電子配信される漫画はいくらが妥当なのかな

漫画の単行本は500円程度。週刊漫画雑誌は240円(ジャンプの場合)。

この価格には、

筆者への印税やら原稿料、編集にかかる費用、紙代、インク代、印刷代、運送代、取り次ぎ利益、書店の利益

なんかが含まれている。
雑誌は赤字らしいけど、単行本には確実に利益があるのだろう。
筆者への印税は定価の10%だとすると、単行本の500円のうち、450円はその他の費用と言うことになる。

電子配信される場合は、紙、印刷、運送などの費用がかからない。
かかる費用といえば、筆者への印税やら原稿料、編集にかかる費用、通信料、販売業者の利益くらいでしかない。
このうち、通信料はほとんどただなので、原稿料の2倍程度でも結構高い値段と言えるのでは無かろうか。
つまり、漫画の単行本なら100円くらいが価格設定としては正しいのではないかと言うこと。

100円で、そのうち30%を配信業者がとって、筆者が50%、のこりをその他の業者がとったとする。
筆者は1冊売れると50円だが、10,000部売れれば50万円。100,000万部売れれば500万円になる。

現在の単行本は約10話が1セットになっているので、2ヶ月半で1冊販売できる。この形態もどうにかした方が良いともうけど、1年間に5冊出せると仮定する。
アシスタント含めて年間3,000万円欲しいと思ったら、5冊それぞれ12万部売れればいい。
英語など多言語も考えれば、このくらいそこそこ面白い作品だったら余裕では無かろうか。

もちろん、紙の書籍も併売すればいいわけで、筆者も関係者もまったく不都合がない。

連載で毎週読めるというような形態にすると、紙雑誌の単価では1話あたり12円くらいになる。
1ヶ月4回として48円、切りの良いところで50円。筆者の取り分が50%とすると、1ヶ月あたり25円の収入。
早めに読めて125円くらいで1冊分読めるのがいいか、100円でまとめて読むのがいいかという選択肢も与えられる。

連載する場合、例えば週刊少年ジャンプは、全部の連載を楽しみにしているわけじゃなくて、それぞれいくつかの連載を読みたくて買って、そのついでに面白いのを見つけるみたいな発見があり、その中で筆者を育てていくようなこともあるのだと思う。
それぞれの連載がバラバラに買えるようになったとき、無名作家をどうするかというのが問題になりそうだ。

電子化されたとはいえ、漫画本1冊100円というのは今の経済感覚から言って安すぎるような気もするので、200円でも悪くはないと思う。こうなると筆者の取り分が50%だと100円になるので、より少ない部数でもそこそこ困らないレベルの収入になりそうな気がする。