野球漫画と言えば、巨人の星、キャプテン、タッチ、逆境ナインなどジャンルも豊富に無数存在しているが、野球漫画界の第一人者といえばドカベン、あぶさんなどの水島新司である。
水島新司の野球漫画の特徴はいくつかの短編を除くと、どれも長期シリーズとなっている点がある。単純に長期関連際している物としては1973年連載スタートの「あぶさん」があるが、作品を変えながら同じ登場人物が登場し続けている物にドカベン系がある。
1972年連載開始のドカベンの初期は柔道漫画だったが、後半からは野球漫画になっている。ドカベンの山田太郎を軸に他の作品の登場人物を登場させながら、大甲子園、ドカベン プロ野球編などと続く長期シリーズだ。
ここで、ドカベン系の作品はどのような物があるのかみてみよう。
後にドカベンに続くことになる最初の作品となるのが1970年連載開始の佐々木守原作による
男どアホウ甲子園 (週刊少年サンデー) 全28巻
がある。この男どアホウ甲子園に続く作品が、1975年連載開始の
一球さん (週刊少年サンデー) 全14巻
だ。この一球さんの登場人物は、ドカベンの続編といえる大甲子園に登場することになる。
ドカベン自体は週刊少年チャンピオンで1972年に連載開始され、全48巻で終わるが、同じ1972年に連載開始された
野球狂の詩 (週刊少年マガジン・月刊少年マガジン) 全13巻
もあり、この登場人物も後に続く大甲子園に登場している。野球狂の詩自体の番外編や続編もあり、1988年に連載開始した
ストッパー (コミックバーガー) 全12巻
が番外編で、1997年に連載開始した
野球狂の詩 平成編 (ミスターマガジン) 全3巻
それに続く
新・野球狂の詩 (モーニング) 全12巻
という続編がある。
野球狂の詩のパリーグ版と言える作品、連載中のタイトルが「ある野球人の記憶」の
白球の詩 (一球入魂) 全9巻
や、野球狂の詩の登場人物が登場する別タイトルの続編
ブル 全1巻
など、ドカベンとはリンクしている部分もあるが、「野球狂の詩」系だけでも立派なシリーズ作品となっている。
ドカベンを中心として、上記作品の登場人物が登場するのが山田太郎高校3年の夏を描いた、1983年連載開始のタイトルにドカベンが入らない
大甲子園 (週刊少年チャンピオン) 全26巻
となる。この大甲子園は1995年連載開始の
ドカベン プロ野球編 (週刊少年チャンピオン) 全52巻
に続いていく。
ドカベンプロ野球編の続編は2004年連載開始の
ドカベン スーパースターズ編 (週刊少年チャンピオン) 35巻(2010年9月現在)
で、現在も連載中である。
このスーパースターズ編11巻を別視点で描いた番外編といえる
野球狂の詩VS.ドカベン (モーニング) 全1巻
という作品もある。
以上、今回紹介したドカベン系の作品だけで254巻となる。
1970年から2010年までの40年間にわたり連載している作品で、長期連載作品に良くある続けば続くほどつまらなくなり、新しい読者が獲得できなくなる状況になりつつあるようだ。
大甲子園までの評価は高いので、そこまで読むのもよさそうだが、それでもそれでも129巻ある。
長期連載は1話完結などが多い中、話はいくつかに分かれてはいるが、ストーリーマンガであり日本の漫画誌に欠かせない作品な事は確実だろう。
大甲子園までをまとめると
1970年 男どアホウ甲子園 (週刊少年サンデー) 全28巻
1972年 野球狂の詩 (週刊少年マガジン・月刊少年マガジン) 全13巻
1972年 ドカベン (週刊少年チャンピオン) 全48巻
1975年 一球さん (週刊少年サンデー) 全14巻
1983年 大甲子園 (週刊少年チャンピオン) 全26巻