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All About編集部の電子書籍について

私および、他の方がAll Aboutで執筆した物が、All About編集部と名乗る著者による電子書籍としてGoogle PlayやiTunes Bookstoreなどで大量に販売されています。

これは、株式会社オールアバウト(2454 JQS)が編集して電子書籍化し、各ストアで販売している物で、実際の著者はここに関わる件には一切関わっていません。

唯一の関わりは、オリジナル版のWeb記事を執筆したという事実と、その時に原稿料を受け取ったことでしょうか。

電子書籍版については、何をどこのストアで販売するかも事前に知らされたりすることはなく、各著者は何気なく各ストアをみていたら、そこに並んでいる物を発見して驚いている次第です。

まとめると、私(上倉賢)を含め、各著者はこの件に関して一切の関わりがありません。

株式会社オールアバウトによるiTunesでの配信の件で電子書籍のガイドがこの件を解説をしているとあります。
この電子書籍ガイドというのは株式会社オールアバウトの社員であることがプロフィールに書かれています

以上により、この電子書籍自体に関する質問や問い合わせ等は、すべて株式会社オールアバウトにお願いします。

株式会社オールアバウトのリンクはこちら

Kindle 3は文字を読む最強端末(2010年8月現在)

iPadが登場したとき、ハードウェアはともかく、ソフトウェア面などを総合的に見て、他社がこれに追いつくのはかなり厳しいと感じたが、Kindle 3も同じ感じをいだかせる。

Kindleが登場する前の電子インクデバイスはいろいろみたし、カラーの電子ペーパーも各社の開発中品を含めいろいろとみてきた。販売されている物も、Kindle 2やB&Nのnookは所有して愛用していたし、CES 2010でお披露目された様々な端末も実機をみてきた。
そのどれも、2010年8月に発売されたKindle 3にはかなわない。もちろん、Kindle DXの様な表示部がそもそも大きいデバイスや、iPadのような液晶を採用したデバイスは別の利点があるので、同軸に語ることは出来ない。あくまでも、小説など文字を中心とした読み物用デバイスとして最高だと言うことだ。

Kindle 2もそこそこ完成されていたが、Amazonは小説や実用書など文字が主体の文章を読む端末として、さらに完成度を高めた他社を引き離してしまったのがKindle 3だ。

Kindleは電子インクを採用し、バッテリ駆動時間が長く、直射日光下で使用できるという利点がある。もちろん、電子インクデバイスは、今後も書き換え速度やコントラスト、カラー対応などさまざな改良がなされるだろうが、これらの性能が現在の液晶並みになるのは当分先だろう。液晶も1990年代前半までは白黒が主流で小さく高価なディスプレイだった。
これらの性能が成熟すれば、将来のKindleなどに採用されるのだろうが、年単位で時間がかかるため、それまではKindle 3や将来の機種を選んでも全く問題ない。

現時点で、価格、サイズと重さ、バッテリ駆動時間などのバランスを考えると、Kindle 3は文字を読むデバイスとして、非常にバランスとれたハードウェアだ。

$139からという価格設定は決して安くはない物の、多読家にとって、Kindleで本を安く買えるのなら、非常にお得な設定だ。そうでない方には安くはないが、この手のデバイスで1.5万円を切っているのは、あまり興味のない方でも手を出しやすい価格だろう。

重さは約241gで最近の携帯電話の2倍程度だが、サイズの関係もあり非常に軽く感じる。長時間持っていても疲れない重さだ。たまたまなのか意識的なのか、iPadの半分というサイズも気軽に持ち運べるサイズで、厚みも薄い。鞄の中に文庫本数冊入れるのなら、これを1台入れていた方がよっぽど役に立つ。ハードカバーは比べる対象にもならない。

従来モデルと比較し、比べなければよくわからない程度だが、コントラスト比が向上し、書き換え速度も向上している。この性能は10年後の製品と比べると、かなり劣った物なのだろうが、現時点で文字を読むのに不都合はない性能は備えている。

なにより、Kindleで購入できる電子書籍が順調に増えているのが素晴らしい。
Kindle 3で多言語対応したので、英語圏以外の様々な言語で多様な電子書籍が入手できるようになるのだろう。
日本語対応は当分遅れるのだろうが、それまで使うPDFリーダーとしてみても過去最高のデバイスといえるだろう。

Kindle DXみたいなでかい電子書籍リーダーを買わない理由

小型のKindle(いわゆるKindle 2)を愛用しているが、でかい方のKindle DXみたいなのは買わないだろう。

電子端末上で文字を読むなら、現在の本のサイズと同程度の物でやりたい。A4サイズ程度の技術書などでかい出版物は、手に持って読むにはでかいし重すぎる。大きめの本は、机の上に置いて読むことを想定した物だろう。
Kindle DXはどちらかというと、教科書や資料など、そのようなでかい出版物を対象にした物で、サイズもでかく持ち運びづらい。
大きさという意味では、現在の小さい方のKindleは、薄いのはいいが、中途半端にでかい。将来は表示部分を二回りくらい大きく、サイズ自体は二回りくらい小さくし、タッチパネル対応になるのだろうが、そんなのが文字を読むだけの端末としては理想。

もちろん、コンピューティングパワーが必要な用途では、当分ノートパソコンを使うのだろうが、持ち運び環境ではソフトウェア次第だが、iPadのようなスレートPCを使うことになるだろう。

同じようなサイズの似たような製品を複数持っていても邪魔なだけ。大きめの書籍に向けたようなコンテンツは、スレートPCを使って読むのではないかと考えている。

ということで、近い将来の持ち運びデバイスはこのようになりそうだ。

スマートフォンはいつも持ち運ぶ
電子ブックリーダーはカバンをもって歩くようなときは常に持ち運ぶ
スレートPCも鞄を持って歩くときは常に持ち運ぶ
ノートパソコンはスレートPCでは力不足な状況なんかで持ち運ぶ

将来、PCっぽい使い方で、一番身近になりそうなのがスレートPC。
電子書籍はすべての端末で読める。PC的な使い方はスレートPCからでも仮想的に出来るようになるだろう。電子ブックリーダーは単に文字を読みたいとき以外に活用されない。

文字を読むなら、字が読みやすく、本体自体も軽く適度なサイズで、長時間駆動が必要になる。そんな将来の電子ブックリーダーは数年後には出てくるのだろうか?

その頃になったら、ディスプレイ技術も発達して、いろいろ考え直さないといけなくなるかもしれないけど。

電子ブックの配信はどうなる。デバイスや配信業者、フォーマットとか

電子ブックデバイスとして、KindleとiPadしか話題にしない人も多い。
デバイス自体はアマゾン(Amazon)に加えて、ソニーやB&Nも出しているが、2010年にはさらに数十社がこの市場に向けた製品を公開する。
配信業者も多く、他にも様々な問題もある。KindleとiPadしか見ていないような意見はかなり分析が甘い。

http://www.youtube.com/view_play_list?p=67BB16E6FEB8AE79
さまざまな電子ブックリーダー

電子書籍を読むだけなら、PCの画面でもいいし、携帯電話でもいいし、専用リーダーでもいい。
文字をじっくり読む場合、本のように手に持って扱えるデバイスが適しているだろうし、ビジュアル指向の雑誌を読むなら、さらに、書き換え速度が速いデバイスとインターフェースが必要になるだろう。

そういう意味では、小説などはバッテリ駆動時間も長く、目に優しい電子インクを使ったKindleのようなデバイスが適している。カラーの画像やビデオなども含めて、タッチパネルインターフェースを使ったiPadのようなデバイスは、雑誌的なコンテンツに適している。
KindleやiPadのようなデバイスは、2010年から電子ブックが読める物として話題になるだろう。

しかし、それぞれ利点も欠点もあり、両者はディスプレイテクノロジが発達するまでは共存する。電子インクの発色と書き換え速度に加えてコストが液晶に近づいた頃には、また新たなデバイスとなっているだろう。

電子ブックを音楽配信と重ねる意見も多いが、音楽と書籍は全く違う。
音楽の場合、音をオーディオデバイスで出力出来ればいいので、有料・無料、ネットのダウンロード、CDやレコードなどの違いは全く関係なく、電子的な配信、販売に適している。
しかし、本の場合、文字や画像を表示して読まなければならないが、それを読むためのデバイスをどうするのかなど、簡単ではない。

音楽の場合は、無法地帯から、アップルのiTunesが始めるまでは、有料で電子的に買える物が皆無と言っていい状態だった。
iTunesが成功したことで、電子的な配信・販売に向いている音楽は、Amazonやソニーなど、いくつかのサイトも電子販売に参入し、CDなどの販売は縮小する一方だ。日本なら携帯電話での販売もそれなりに好調のようだ。

しかし、電子ブックの場合、そもそも無法地帯とはなっていないし、紙に印刷して製本された物は優れており、音楽CDのようには市場は縮小しないだろう。
電子配信に関しては、Amazon Kindleに代表されるように、有料販売が現時点で主流と言っていいだろう。
その電子配信は、Kindleに加えて、ソニーやMobipocket、B&Nなど様々な業者がすでに有料販売を始めている。将来は少ない何社かがかなりのシェアを得ると思われるが、まだまだ市場自体が小さく、参入業者も多いので、どうなるかはまったくわからない。

Amazon Kindle http://www.amazon.com/

Sony Reader Store http://ebookstore.sony.com/

Apple Store http://www.apple.com/

Barns & Noble nook http://www.barnesandnoble.com/

Mobipocket http://www.mobipocket.com/

O’Reilly http://oreilly.com/

Google Books http://books.google.com/

唯一、書籍で無法地帯と言えるのが、日本の漫画(Manga)だ。
日本の漫画は、海外でも人気だが、日本で雑誌や単行本となって出版された物は、勝手にスキャンされ、各国語に翻訳され、オンラインで読むというのがかなり 浸透している。

個人的に目撃したのは、BLEACH(ブリーチ)という漫画などを、アメリカの小学生がネットで読んでいたし、ドバイの小売 店では、20台の店員がNARUTO -ナルト- をレジのコンピューターで読んでいた。

小説や雑誌などとは違い、漫画自体は電子配信の敷 居がかなり低いコンテンツと思われるが、権利者がこれに向けて動いていない。

Kindleは3G回線を基本としており、 画像の漫画ではデータ量が多くなり通信料の問題がある。日本の携帯電話向けには専用にオーサーリングしたもので参入しているようだが、漫画家の中には電子 化した際にはカラーで表現したい方も多いようなので、カラーの液晶を使ったデバイスでの配信が、漫画の基本になるのかもしれない。

また、フォーマットが多いのも問題だろう。

音楽の場合、mp3が基本で他に数種類あるだけだったが、Kindleはmobipocketベースだが、業界団体はePubを推進しているようだ。PDFもあるし、日本などの縦書きはどうなるのか気になる点も多い。

最終的に、これはソフトウェアの問題なので、デバイス自体がそれぞれのフォーマットに対応すればいいだけだが、フォーマットがたくさんあるのはユーザーにとって利便性がよいとは言えない。

そもそも、日本では用語も統一されていない、電子ブック、電子書籍、イーブックなどたくさんあり、この用語の認識も人によって違うようだ。

様々な問題はあるが、2010年は電子ブックが本格的に立ち上がるのは確実だ。

電子書籍の違法コピーは流行るか?

まだ十分とは言えないが、英語圏ではAmazon.comのKindleやBarnes & NobleのNookなどによって、電子書籍がかなり使えるようになっている。

英語圏以外のヨーロッパ系言語なら技術的にすぐに始められるだろうし、アジア系言語などでも少なくとも2010年代には電子書籍はかなり普及するだろう。
これは電子ペーパーを利用したKindleの様なデバイスが流行るとかではなく、電子配信された今までなら紙に印刷していたような情報を、なんらかの電子デバイスで表示されるようになるだろうということである。

これで心配されるのは違法コピーの蔓延だが、音楽や映像では今後も何らかの形で違法なやりとりが行われるだろうが、電子書籍の場合はなかなか難しいと思っている。

これはDRMが強固だとかそういう話ではなく、コンテンツそのものが本物であるかどうかを確認するのが難しいからである。
コピーバンドによる演奏や、歌の部分を別人がカラオケなどで歌った場合、本物と違うと言うことはすぐにわかる。本物を知らなくても、何らかのメディアで本物に接することは容易だし、偽物をつかまされても実害はない。そもそもコピー品を使っているのだから犯罪行為ではあるが。

文字だけの情報の場合、それが本物かどうかを見分けることが出来るのは、それを知っている人のみだ。小説などで、結末を書き換えてしまっても、オリジナルとの違いはそれを知る人にしかわからない。
結末をより面白く書き換えるのならまだしも、少しずつ物語を変えてしまったら読んでる方は、それがオリジナルだと思いこんでしまいかねない。

つまり、オリジナルの情報を確実に入手したかったら、正規に入手するしかないということだ。
なにしろ、一般的に本一冊読むには、速読が出来れば別だが、一般的に数時間以上かかる。偽物をつかまされて無駄な時間を使うリスクより、適正な料金を払って正規品を入手した方が良いと判断する方の方が多いのではなかろうか。

このリスクが低いデータ交換サービスのような物は、権利者側からつぶされるだろうし、権利者が偽データを意図的に流す可能性もありそうだ。

小説などはともかく、それでも流行りそうなのは漫画だ。
デジタル化された文字は誰でも書き換えが出来るが、絵を加工するのは難しい。紙に印刷された漫画は今も違法コピーはあるようだ。以前UAEに行ったときに、スキャンした漫画のナルトを英訳(だれが英訳したのかは不明)した物をPCで読んでいる人がいたのは驚いたが、国際的にこの違法コピーは今後もつづくだろう。
これを回避する一番良い方法は、見開きの紙ベースではなくデジタル用の漫画にすることでは無かろうか。