原発再稼働と最終処理

原子力発電は、それが始まったときからの課題として、放射性廃棄物の最終処理がある。
今のところ、最終処理は、地下深くに埋めるということになっているようだが、全世界どこに行ってもこれは様々な議論を呼んでいるようだ。

しかしながら、すでに原子力発電など放射性廃棄物は地球上にたくさんあり、これをどうにかしないといけない。
原子力発電が始まったときも、この問題は将来どうにかするということで始めたようだが、福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、日本国内で処理しようと思う場所は皆無だろう。

つまり、現時点で、今後発生する放射性廃棄物は、福島第一と同様に使用済みの燃料プールに入れておくしかないという状態だ。
ここで忘れてはいけないのは、東日本大震災発生直後、福島第一で稼働していたのは1、2、3号機で、震災直後自動停止した。
その後、津波などにより全電源が喪失した。

これにより、メルトダウンが発生し、建屋が水素爆発するなどの被害が出たが、稼働していなかった4号機も水素爆発している。4号機の水素爆発は3号機の水素が4号機に入ったと言われているが、何らかの形でこのような状態になれば、そこへ入るのも困難になり、その後の処理に多大な影響を及ぼす。

つまり、単に放射性廃棄物を保管しているだけでも、非常に危険であり、原発を再稼働させると言うことは、このような危険な状態を増やすということにつながる。

しかしながら、2012年現在の日本は火力発電に頼るにしても燃料費が高騰するという問題もあるし、特に夏などは産業界などに影響が及び、日本の競争力低下にも直結する。

将来を考えると原子力発電所がいくら安全になったとしても、完全に安全な最終処理方法が確立されていない状態で再稼働させるというのは、また福島第一のような被害を増やすことにつながりかねない。
かといって、電力の供給が十分なわけでも無く難しい判断が必要になる。