Gerstmann-gate事件

GameSpotという、CNETが運営するゲームサイトの編集者Jeff Gerstmann(ジェフ・ガーストマン)が解雇されたと言うことで、12月初旬に海外で大きな話題になっていたようだ。
この問題は、Eidos Interactive社のXbox 360およびPS3、PC用ゲームKane & Lynch: Dead Men(Xbox 360版など)の評価が低かったことに対して、広告主でもあった同社の怒りを買ったため、レビューを行ったGerstmannが解雇されたのではないかということ。

日本語で読める物としては

GameSpotの編集者,レビュー記事が元で解雇という噂 4Gamer.net
欧米ゲームメディアが震撼! 広告主の圧力でレビュワーが解雇? Gpara.com
レビュー記事が元で編集者が解雇 4Gamer.net
レビューを書いたらサヨウナラ 道場主雑記

に詳しいが、GemeSpot自身も事の顛末をまとめているので、これも参照した方がいいだろう。

Spot On: GameSpot on Gerstmann GameSpot

そもそも、このKane & Lnynch: Dead Menの評価はどうなのかという点をGameRankings.comあたりでみてみると

Xbox 360版PS3版PC版共に10点満点中6から7点と高くはない点数で、Jeff Gerstmannの評価自体は異常におかしい物ではない。しかし、書かれた内容は修正されるなど、広告主であったEdios Interactiveから圧力があったのではないかなどの余計な憶測を生む結果となっている。

今回の件はどうであれ、ゲームのレビューなどを商業的に載せて、なんらかの広告もあるサイトということは、そのゲームの販売元とも何らかのつながりはある。
どこかの部門では、レビュー記事に対して販売・制作元から何らかの反応を直接聞いているだろう。それがどのような形なのかは、ケースバイケースだが、評価が悪かった物に対しては、「勘弁してくださいよー」レベルなのか、「あいつはけしからん」なのかわからないが、どちらもあり得る。

多くの場合、「広告載せているのに、低い評価しやがって」ということなら、無言の圧力ということになり、今度からここに広告を載せるのはやめようとか、ここには情報を提供しないとか、取材の対応は適当でいいやとかそんなところがいいところだ。
もちろん、広告が無くても商業的に成り立つなら、他の作品に対して、バイアスが全くかからなくなるので、よりユーザーよりの評価を期待できるわけだ。内容が良くなれば、そのサイトにはユーザーも集まるようになる。
メーカーとしては、そんなところに変な圧力をかけるよりも、良い作品を作り、普通に宣伝すればいいだけという基本的な所に戻ってくるわけだ。もちろん、大人の世界では難しいこともいろいろあるわけで、この件を説明した12月6日のOn the Spotではスタッフの動揺もみてとれた。

少なくとも言えるのが、この件のように大きな話題になってしまうと、ユーザーは両社に不信感を抱いてしまうわけで、実際にユーザーレビューなどにも大きな影響を与えてしまっており、もしも圧力をかけたのなら結局、逆効果だったということになる。

ゲームのように数千円で購入できる物は、そもそもこのような商業ゲームサイトがなくても、多くのユーザー評価はすぐに集まるシステムは出来ているし、間違えて購入しても損害は少ない。それ以上の価格になるコンピュータ機器、車、家その他はそういうわけにも行かないし、今後、似たような事が起きることも考えられるわけで、これからこの件がどうなっていくのか興味深く見守りたい。

Rumor: Gamespot’s editorial director fired over Kane & Lynch review Joystiq
The New Games Journalism Penny Arcade!

http://www.youtube.com/watch?v=5FuJ81sDR2o

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