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速読速聴・英単語Basic2400 ver.4 は初級の割にレベルの高い単語帳

受験向け英単語帳には大きく分けて3パターンあります。
1つの見出し語に1つの意味と例文が単純に並ぶ系のターゲットシリーズなど、1つの単語にコロケーションを意識した短いフレーズがあるシステム英単語シリーズ、文章の中で英単語を覚える速読英単語シリーズなど。

他に、この3パターンをうまく取り入れた単語帳、1つの例文で複数の単語・熟語などを覚えられるDUOシリーズ、単語の意味だけに特化したSPARTAシリーズなどもあります。

英語の学習では音読が重要で、単語帳で音読する場合、最終的には文章で覚えるタイプの単語帳で音読するのが学習効果は高いでしょう。

その文章で覚えるタイプの単語帳で有名なのは速読英単語シリーズですが、他にも何種類かあります。
その中の1つが速読速聴・英単語シリーズです。

速読速聴・英単語シリーズは大きく分けて4つのレベル分けがあり、用途別に合計8冊あります。
代表的な物を大きく分けると

CEFRレベルでA1からA2、英検3級から準2級がBasic2400
CEFRレベルでA2からB1、英検準2級から2級がDaily1500
CEFRレベルでB1からB2、英検2級から準1級がCore1900
CEFRレベルでB1、英検1級がAdvanced1100

のようなイメージになりますが、例えば初級向けのBasic2400で使われている単語は、一部で初級とは言えない物が入っています。
このあたりは、受験向けが主なターゲットではないことが影響してそうです。

速読速聴・英単語シリーズは少々レベルが高い

例えばBasic2400内のPart 2で使われている「dizzy」はターゲットシリーズでは1900でようやく、システム英単語もBasicでは出てこない単語で、他の単語帳では標準レベルの単語ですが、これでは初級の単語として出てきます。
「further」はシステム英単語Basicの関連語で出てくるが、ターゲットシリーズでは出てこない単語で、速読英単語 標準編で出てくる単語です。

つまり、速読速聴・英単語シリーズで使われている単語は、他の同レベルの受験向け単語帳には出てこない単語がちょくちょく出てくる単語帳ということです。
単語帳自体が初めてで、基礎的な単語が固まっていない段階で速読速聴・英単語シリーズを使うと、かなり難しいと感じるのではと思います。

例えばターゲット1200の後に、長文で音読して単語を固める場合、初級だからと速読速聴・英単語シリーズBasic2500を使うのは少々敷居が高いです。
ターゲット1200の後に使う長文系単語帳なら、速読速聴・英単語Basic2500ではなく、速読英単語 入門編や英単語ターゲットR 1200を使って固め、さらに、その上のターゲット1400を覚え、英単語ターゲットR 1400あたりで単語を固めて、音読自体の学習をした後に、速読速聴・英単語シリーズBasic2400、速読速聴・英単語シリーズDaily1500などに進んでいった方が効果的でしょう。

速読速聴・英単語シリーズBasic2400の良い点としては、基本動詞、前置詞などのコアミーニングの解説が各単語1ページあるところです。
他の単語帳で、意味自体を覚え、文法も多少学習した上で、速読速聴・英単語シリーズBasic2400で音読し、各ページの内容もしっかり学習すれば、基礎力の向上が期待できます。
単語自体については例えば「dizzy」は長文として以外でも、病気単語一覧の欄に載っており、初心者でもいつ使うかわからない単語を一括して学習できるという利点もあります。

他の長文系では、英単語ターゲットRシリーズも、長文の中にひとつ1のレベルに乗っている単語が使われていたりします。
何を使っても、学習後に必ず出てくるわからない単語を、文法や語源などから推測する事を学ぶという意味ではどちらも同じかも知れませんが、速読速聴・英単語シリーズはわからない単語に出会う率がかなり高いので、まずはそのレベルで使われる単語自体を学習してから、そのレベルを更に高めるための学習教材として、音読などで活用した方がより効果的だと思います。

レベルが高いという事はそれだけ効果があるという事

大学受験生レベルだと、まずは速読速聴・英単語Core1900から入ろうとするかも知れませんが、単語を覚えるだけの目的なら問題なくても、音読ということではハードルがかなり高いです。
Basic2400、Daily1500がしっかり音読できる状態にしてから、Core1900に進むことをおすすめします。

しっかり音読できる状態とは、シャドーイング出来るくらいのレベルになってからということです。ここで言うシャドーイングとは、文字を見ないで音声だけを聞いてそのまま同じように発音することです。

例えばBasic2400の音声の場合、Part 1は30から60wpm、Part 2は70から120wpm、Part 3は80から130wpmになっています。
発音等に問題なく、聞き取り自体が出来る場合で、Part 1は多少練習している人なら初見でも出来る速度、Part 3はより現実的な速度で初心者がいきなりやるには難しい速度です。

Part 3でシャドーイング出来るレベルなら、聞き取りや単語力もそれなりについている状態です。

これを出来るようにするには、音読自体が出来るようになっている必要があります。
音読はただ単に読むのではなく、しっかり文章の意味を正しく理解出来る状態で読まないと意味がありません。もちろん多読、日本語であっても文章を読むというのは、文章の内容を理解して読むという事です。

英文の場合は、単語、熟語、英語の構文などをしっかり把握していないと読めません。
Basic2400の場合は単語をつなげただけのフィーリング読みで何となくの意味はわかると思いますが、このレベルこそ、主語、述語などの関係をしっかり学習し、理解出来る状態にしたうえで読むべきです。

そのためには単語の知識を含め、文法、読解の学習は必要になります。
音読は、ある程度読解の学習が進んだ状態で行うのが適切です。

まとめると、速読速聴・英単語シリーズは、それで使われている英単語、文法の1つ上のレベルがある程度出来た段階の音読向けに良いシリーズです。