シャープのNetWalkerが一部先行ながら2009年9月18日から発売になった。
8月の製品の発表会でも実機をさわったが、キーボードはともかく、ソフトの起動が遅いという点はもう少しチューニングしてくるかと思ったが、販売された製品を見ても基本的に同じようだ。
FirefoxやOpenOfficeに限らず、この手の製品を使う場合にソフトの起動は欠かせないが、これが非常に遅い。
HDDを搭載したWidnowsでもクリック直後にロゴ画面が出て、いくら遅いソフトでも5秒程度後には使えるのが普通だろうが、これはFirefoxだとかでも5秒は待たされる。OpenOfficeだとそれ以上。
起動さえすれば、速くはないがそこそこの速度で動作可能だが、この起動時間の遅さは致命的。
シャープは本体の起動が3秒と宣伝しているが、サスペンド状態からの復帰時間であってコールドブートの時間ではない。今時のOS、Mac OS X Snow Leopard、Windows 7でも同等もしくはそれ以上の速度なので、これでは売りにならない。
タッチパネル付きだが、画面が細かく、UIを小型高精細画面用に調整しているわけではないので、老眼の方にはつらいだろうし、独特のポインティングデバイスも慣れるのに多少時間かかるかも。
店頭などで数分使っただけでは使いにくいと感じるだろう。
NetWalkerという名前を使っているようにネット接続機能が売りだが、都内で先行販売している大型量販店ヨドバシカメラやビックカメラですら、まともなネット接続環境と共に展示されておらずスタンドアローン的な展示。
一部、無線LANやイーモバイルなどでネット接続しているが、イーモバイルはともかく、無線LANの場合は頻繁に接続が切れているところもある。
売り方が問題だが、店頭にいる販売促進のための店員(量販店の制服を着ていない人)がまともに製品の説明が出来ない。イーモバイルと組み合わせた場合の費用なども説明出来ない。(出来る人もいるのだろうけど)
Bluetoothが無い、キーボードはもう少し頑張って欲しかったとかハードウェアの不満点はいくつかあるが、それを補う販売キャンペーンかと思った物のそれもなく、本当に売る気があるのかなと思う製品だ。
日本のメーカーはとりあえず様子見で出してみましたというのが多い。
これもそうだが、あれがないので次の機種まで待ちではなくて、現時点でここまでやっていれば文句ないだろうくらいの完成度で出してこないのが不思議だ。
もちろん、デバイスに問題があるのならそれを解消したデバイスになるまで出さないというのも、戦略としてはありだと思う。
とりあえず出してみて、いまいちだったから後が続かないというのは当然だろう。その製品の魅力がなかったのだから。
それでも、一部のマニア筋にはUbuntu、小型で長時間駆動というのは魅力ではあろう。
一般ユーザーには全く響かないだろうが。