地デジ化はBSでやればよかったという意見はどこまで考えての事なのか

地上波でデジタル放送に移行するのではなく、BS放送でデジタル化すればよかったのだという意見がある。
地上波でデジタル放送を日本全国に届けるには日本各地に中継局を置かなければならないし、新しい放送へ向けてアンテナの整備、チューナーの手配などのお金がかかるが、BSならそれほどかからないというのがその理由らしい。

BS放送でデジタル化というのは現在のアナログ放送はやめた上で、BS放送へ完全移行しろという事なのか、その辺りの前提がよくわからないが、地上波よりBSの方がお金がかからないのは本当なのか?

日本海側など豪雪地帯は数多くあり、BS放送だけにした場合、その地域に安定的に電波を届けるにはどうしたらいいか。アメリカで2011年頃、衛星放送だと雪や豪雨のときにテレビがみれなくなるが、ケーブルなら大丈夫というコマーシャルを頻繁に流れていたが、そのような地域にはケーブルでどうにかするのだろうか?
毎年必ずそうなる地域はそうするとして、そうではない地域ではどうするのか。年に数回あるかどうかもわからない、分厚い雲がくる可能性にあわせてケーブルでなんとかするのだろうか。それならBSではなくて結局ケーブルではじめからやれという話になる。

BSに移行するにしても、BS放送に対応したチューナーとアンテナは必要になる。
地デジ対応にはUHFアンテナと、チューナーが必要で、そのためにテレビは買い替えたが、アンテナはそのままでよかった地域も多い。
しかし、BSに移行する場合、アンテナが必要になるし、周波数が全く違うので、分配機や室内のケーブルなども変更が必要になる場合もある。

そのアンテナも、衛星が向いている方向に空が開けていなければならず、ほぼ向きが同じで周波数が近かった地デジ化の時よりも、根本的に対策が必要になる場所もあるだろう。その費用は誰が持つのか。

チューナーの買い替え自体は従来と同様必要で、テレビの買い替えなどは地上波によるデジタル放送への移行と同等の負担が発生するはず。

地上波をBSに移行するならアナログ放送で使用していたVHFとUHFの周波数帯が開くが、ワンセグもデジタル放送の一種だが、これはどうするのか。

地上波をデジタル化ではなく、BS放送でデジタル化しろと主張していた方々がどこまで考えてそれを主張していたかは定かではない。