電子版を無料公開した後に紙という流れ

現在、まとまった情報を一気に提供するなら、紙に文字を印刷して製本した書籍という形にするのが一般的だ。
提供側としては、まとまった情報を一気に書く事は出来ないので、少しずつ書く事になるが、製本した書籍は最終的にすべてが形にならない限り公開できない。

ビジネス書などは、1つのテーマの本であっても章ごとなど細かな単位で公開できるので、順番はどうなったとしても、少しずつ公開するのにはあまり問題は無い。
小説の場合、始めから読まないと意味が分からなくなるが、連載小説などは少しずつ書いていく事がほとんどなので、これも少しずつ公開するのには基本的に問題は無い。

こういった現状があるなら、出来次第公開していけば、筆者にとって執筆中も収入を得られ、読者も早めに読めるようになる。
問題は有償で販売する予定の書籍との関係をどうするか、公開の方式をどうするのかという点だろうか。

最終目標が製本した書籍だとしても、途中段階では電子的な公開手段を選ぶしかないだろう。
電子的に公開した段階で電子書籍になるわけだが、章ごとの公開ならともかく、ちまちまとしたものをどうやって課金していくかという問題がある。
ユーザーから課金した場合、無料公開に比べ読者が激減するだろう。スポンサーから得るのが手っ取り早いが、その中でも最も手っ取り早く収入になるのが、どこかの商業サイトに寄稿する事。その次に現実的なのが、自分のブログなどに広告を掲載するという点。

どこかに寄稿した場合、それなりのアクセス数を求められ、継続してかけるかどうかはわからない。自分のブログにしてもそれなりにアクセスが無ければ広告料金は期待できない。

書籍を出したとしても多くても数万部な現在、ある程度のPVがあるならWebで無料公開したとしても実害はなさそうだ。実害よりも、電子版で人気があるなら製本した書籍でもそれなりに売れる可能性もあり、電子版を先行して製本書籍版を出すという流れの方がいいのかもしれない。