ユーザーがテレビに求めているのは高機能では無い ガラパゴス化している日本のテレビ受像器

一般のテレビユーザーが求めているのは、そこそこの画質や音質、リモコンなどによる簡単な操作方法とリーズナブルな価格。
日本のテレビメーカーが求めているのは他社と差別化する高機能で高利益率な製品。

一般的にはこんなところだろう。

ソニーが日本市場向けに2012年3月23日に発表した製品はまさにこの高機能製品で、HDDを内蔵しテレビ番組の録画などが可能で、Blu-rayドライブも内蔵し、再生・録画などもできる。さらにネットにも接続し、自社や他社のネット系サービスが利用できるという物。
テレビ番組の録画文化は日本市場のみの物で、HDDやBlu-rayドライブが内蔵した製品の需要は日本以外では皆無。
海外ではテレビ番組の見逃したとしても再放送やネットによる配信などでいくらでもみれるので、わざわざ個別に録画するようなことはほとんど無い。USでは録画ができるTiVoなどもあるが、録画文化はほぼ無いといってもいい。

そんな、日本向けのガラパゴステレビが海外で売れるはずが無く、携帯電話と同様に死滅する危機にひんしている。

ネット対応にしても、例えばアップルのApple TVは1万円以下で販売できる製品であり、ネット関連機能を付加してもこの程度の価格を上げるだけで精一杯のものでしかない。

そんな市場で利益を得るためには、グローバルで販売できる製品を低コストで製造し、高利益にするしかないが、液晶パネルなどの調達価格はどこもほぼ同じで、品質もそれほど変わらない。それなのに、ブラウン管時代の少数の高品質な製品を製造できる会社が支配をしていたような状況を、フラットパネルディスプレイで続けようと思ってもほとんど不可能だ。

価格競争が激しい中で、高利益率の製品を大量に製造販売するのはほぼ不可能。汎用化した多くの電子デバイスは低コストで製造する中国メーカーなどが担当するようになっているが、テレビなどのモニターも汎用化した結果同じような状態になっている。

どうしても生き残るなら、低コストで製造し、大量に販売するか、シェアは低くなっても高品質製品を出していくしか無い。