JR高崎線の桶川駅、北本駅の間に新駅を作る是非を問う埼玉県北本市の住民投票が2013年12月15日に行われた。
結果は
反対 26,804票
賛成 8,53票
で反対票が大きく上回った。
投票率は62.34%。
新駅設置は自治体が行う物で、総費用は72億円、そのうち市の負担は約51億円。
これを北本市民の多くは拒否した結果となり、市長が12月16日にも行う正式な判断が待たれる。
この結果は当然であり、地図を見ればわかるが、新駅設置で恩恵を受ける北本市民は多く見積もっても全体の2割程度。南側に隣接し、新駅設置で恩恵を受ける市民も少なくない桶川市は一切費用負担しないという構図で賛成する人が少数派になるのは当然だ。
高崎線の駅間距離は
大宮
4.0km
宮原
4.2km
上尾
1.7km
北上尾
1.9km
桶川
4.6km
北本
3.6km
鴻巣
となっており、より住民が多く駅間距離もそれなりにある大宮-宮原間、宮原-上尾間に駅を作る方が先だと考える埼玉県民も少なくないに違いない。
また、高崎線には意味の無い快速問題もある。一般的に快速は普通列車を途中駅で待ち合わせするなりして抜かす物だが、そんなことは全くせずただ単に利用客が比較的少ない駅を素通りするだけの快速が走っている。
利用客が比較的少ないだけで、快速が途中に通過するため、日中の時間帯に電車が30分ほど来ない無駄な時間帯などがあり、このようなわけのわからないダイヤをJR東日本に何とかさせるほうが重要だ。
もちろん、それをやっていなければ、桶川-北本間の新駅も快速通過駅となるだろう。
また、JR高崎線やJR宇都宮線は群馬県や栃木県にあわせた空調設定をしているため、上野からさいたま市をすぎたあたりまでの、通勤混雑時には夏は暑く、冬も暑いという地獄のような環境になっている。これもJR東日本の空調設定を何とかさせる必要がある。
つまり、新駅を作るよりも先にすることがたくさんあると言うことだ。
このあたりの利便性などは実際の利用者しか知らないわけだが、新駅設置を推進するような市議会議員のほとんどは通勤列車などを使うわけがなく、新駅設置に伴う工事関連の利益だけを狙っているのではないかと思われても当然だ。
現在、新駅構想の横では圏央道工事の真っ最中で、これが終わり住民が納得できれば、新駅の工事と関係者にとっては忙しい日々が続くはずだったが、そうはうまくいかない良心的な結果となった。