特に目的も無く飛行機チケットをチェックしていると数日後発のUS$250、当時の為替で約3.6万円で行ける場所を見つけたので、単に安く行けるならということで2024年8月末に実際に行ってみました。
中国東方航空(China Eastern Airlines)を使う物で、行きは羽田発、上海経由、クアラルンプール。帰りはクアラルンプールから上海、成田着というルートです。
中国東方航空と言えば、以前から日本から西側に飛ぶ便を探す時に真っ先に出てくる安い便です。
この航空会社がどんなもんか調べる意味でも使ってみます。
趣味は航空チケット探し
2024年夏に安い航空チケットを探していると、US$850のLA、US$350のグアムなどがありましたが、台湾、香港あたりは微妙に高い。US$350のグアムはエコノミーの中の最も安いクラスで、カバンその他を入れると結構高くなるので、今回は無し。
いろいろみていると、バンコク行きがUS$250でした。中国東方航空の上海乗り継ぎで、乗り継ぎ時間は2時間。
ちょうど台風が来ている時期で、少しでも遅延したら乗り継げません。それも面白いですが、他をみてみると、マレーシアのクアラルンプール行きも同じ価格で、夜到着の乗り継ぎ時間は5時間。
5時間の乗り継ぎなら運が良ければ2時間くらいの現地入国も可能っぽいです。急いでの乗り継ぎ先の観光は大変なので、空港でぷらぷらするのも良いでしょう。
事前準備
中国東方航空はなぜか安いチケットを出していますが、日本から上海行きの便がすごく多いです。席が上手くさばけなかった時に安い便が出てくるのでしょうか。
サービスその他がどうなのかは使ったことないのでわかりませんが、オンラインチェックインしようとしてもなぜか出来ません。
仕方ないので、アプリでとかやろうとしましたが、どうやらこの航空会社の会員にならないと実質何も出来ないようです。
終わってわかりましたが、とにかく様々な制約で、出来ない事、行きは出来たのに、帰りは出来ないとか謎なことが多かったです。
羽田発、上海便
羽田発上海便は、コードシェアで実際に乗るのは上海航空になります。
中国東方航空便ではMU 8634。上海航空便ではFM896です。
午後5時10分発、現地夜7時10分着の予定で、飛行時間は約3時間です。
オンラインチェックインが出来ないし、どうせ手続きも遅いでしょうから、何かあってもいいようにだいぶ早めの午後1時50分には空港に到着します。すると、2時10分からカウンターオープンと書いてあるので、20分前から並びます。実際に受付が始まったのは2時15分でした。先客は30名ほどのようでしたが、私の番が回ってきたのは午後2時35分なので、複数カウンターあるのに1人1分ほどかかっている計算です。
なぜか預入荷物は、係員がタグつけた後に手動で持っていきます。
念のためFace Express機能を使おうとしますが非対応でした。
荷物はそのままクアラルンプールまで行くそうで、上海からの乗り継ぎ便の搭乗券もその場で発券されました。
なお、この搭乗券にはブッキングクラスはZと書いてあります。
普通に遅延
念のため午後4時頃にはゲート前に行ってみますが当然何もありません。
空港ウロウロして、普通は搭乗が始まる4時40分頃になっても、何も始まる気配がありません。ゲート前に並ぶ人もいますが5時になっても何も無く、突然5時45分になった事が伝えられます。
5時45分なら、15分から搭乗開始と思いきや30分頃から搭乗が始まります。
私がゲートを通ったのは結局6時ちょい前でした。
席に着いたのが午後6時3分頃。
飛行機が動き出したのが午後6時30分頃です。
それからしばらくすると、空港内の中途半端な場所で止まりました。
なぜ止まっているのかは不明ですが、しばらくすると、トラフィックコントロールがどうのこうのというアナウンスが一回入ったきりで、止まり続けます。
その間、ピーナッツなどが配られますが、アナウンスは何も無く、結局8時25分頃にようやく動き出します。
航空ログがわかるサイトによると8時37分に離陸のようになっていますが、実際にほぼその時刻のようです。
機内食がでて、ログのサイトによると、現地9時52分到着なので、2時間半程度飛んでいたようです。
降機が始まったのは現地10時10分すぎくらいから、私が降りたのは10時15分頃でした。遅延時間は3時間です。飛んでいた時間より長いです。
ほとんどの乗客は中国人のようで、日本発ながら、日本人乗客はほとんどいませんでした。
前述したバンコク便も同じ便を使いますが、これに乗ってたら確実に乗れませんでした。その場合はどうしてたのでしょうか。
中国で乗り継ぎ
中国では入国時に外国人は指紋の登録が必要になるようで、自動登録機があります。
私の場合は入国せずに乗り継ぎできるはずですが、どうやって乗り継ぐのかはよくわかりません。
歩いているとTransitとかいてあるので、それに沿って歩いて行きます。
何やらカウンターで話し込んでいる人がいますが、たまたま暇そうな係員に搭乗券を見せると、乗り継ぎのドアを開けてもらえました。
そのまま、道なりに歩いて行きます。
歩いて行くと、荷物検査があるので、手荷物の検査を受けますが、世界一レベルに厳しい検査でした。
パソコン類はもちろん、モバイルバッテリーは全部出さないと行けない。ケーブル類などを入れている小物入れも出さないといけないなど、IT機器を大量に持ち歩いている人には面倒くさすぎる検査ですが、検査するだけなので黙って従います。
いろいろ繰り返して、そんなこんなで、乗り継ぎは出来たみたいです。
この時点で10時40分。ここからゲートに行きますが、夜という事もあってガラガラの空港で飛行機降りてから乗り継ぎのために荷物検査を受け終わるまで30分かかりました。
乗り継ぎ時間が2時間などの場合は、かなりギリギリになるのではと思います。まあ、今回は到着が3時間遅れたわけですが。
なお、通常この便では遅延がなければ現地午後7時には現地に着いているらしいです。
次の便へ
荷物検査を受け終わって解放された場所は免税店エリアですが、主要な店舗は午後10時という事で閉まってます。
飲食店がやってたので、せっかくなので見たことない入れ物の青島ビールを飲んでみます。30元(約600円)。VISAのタッチ決済で買えます。
そんなこんなで、乗る飛行機は、ターミナルなのか建物が違うらしいので、移動します。
移動はどこの空港でも名物の地下鉄みたいな乗り物です。
着いた先も免税店エリアですが、基本的に何も無く、便利店と書いてある看板が見えたので、そこへ行ってみます。
その便利店はHudson Marketでアメリカでした。アメリカの店舗はHudson Newsでロゴは同じで、資本がどうなっているのかは不明。
中身は中国ですが、500mlくらいのビールが10から20元(200円から300円)で売ってます。
次の飛行機まで暇そうなので、ビールとお菓子を買います。
ゲート近くに行くと椅子とテーブルエリアがあり、テーブルエリアでは電源が供給されていました。
コンセント形状はAタイプとOタイプに加えてUSB Aの端子がありました。AタイプはBかCと共用のようです。
上海、クアラルンプール
上海、クアラルンプールもコードシェアで実際の運行は上海航空です。
MU8571、FM863で午前0時10分発、現地5時40分着予定です。
当然、普通に遅延し、午後11時40分になってもゲートが開く気配がありません。
ここでも1回遅延しているというアナウンスがあったきり、どうなるのかわかりません。アナウンスを聞き逃すと何もわかりません。
実際にゲートが開いたのは午前0時30分ころで、私が飛行機の座席に着いたのは0時35分ころです。
それから遅いのはもう慣れっこで1時15分頃動き出し、実際の離陸は1時35分です。
深夜便なのに機内食は普通のメニューです。上段、真ん中の物は謎の豆スープ、緑豆沙で中国の夏の銘菓かなんからしいです。
現地へ到着し、飛行機から出たのが午前6時48分頃となります。
羽田で大幅遅延がありましたが、それを見越して長い乗り継ぎにしたおかけで、次の便にも乗れ、最終的な遅延時間は本来の到着朝6時頃の予定が、朝7時で遅れはたったの1時間となりました。
荷物ピックアップ
上海からきたので、上海から来た便のレーンに行こうとするとありません。
あるのはSingaporeだ、Dhakaだで、他には知らないPudong(浦东)という表示しかありません。上海を探してさまよって、乗ってきた便名をみるとPudong(浦东)が上海の事だとわかりました。
実に不親切です。
マレーシアにて
マレーシアの旅の様子はここでは書きません。
マレーシアから上海へ
帰国へのマレーシアから上海も中国東方航空の便で午後7時55分発、上海到着午前1時35分予定です。
MU8652、FM866です。
オンラインでのチェックインは当然出来ませんが、オンラインでなぜか事前座席指定だけは出来ます。
帰りの便は気が変わって乗る数日前にいったんやった指定を変更しようとしたのですが、なぜか変更出来ない状態になりました。謎です。
羽田の経験があるので3時間前には着いておきたいところです。比較的早めに宿泊先に預けていた荷物をピックアップ、途中でもろもろ間違えた物の空港には午後4時40分頃到着出来ました。
カウンター前に、先客は数十名いましたが、カウンターが開いたのは午後5時頃です。
今回は羽田よりスムーズで午後5時15分頃にはボーディングパスを渡されますが、上海行きのみです。聞いても成田まで荷物も行かないとしか答えないので、上海で荷物をピックアップする必要があるようです。謎です。
チェックインカウンター近くには鼎泰豊なんかがありましたが、中の方が良いだろうと思って、出国審査を受けます。
クアラルンプールの空港の出国審査前の荷物チェックはかなり簡略化された物で、ゲート前で入念なチェックをするシンガポール空港と同等タイプのようです。
出国審査が終わったのが午後6時。
ゲートがある建物に到着したのが午後6時15分。その時点で、いつものように遅延表示です。予定時刻は午後8時20分になってました。
スマートフォンの電池がないので、飲食店で充電しようとしますが、入った飲食店には電源がありませんでした。
仕方なしにバーで割高のビールを飲んで充電します。
そろそろ時間という事で、早めの7時30分にゲート前に行くと、ゲート内セキュリティエリアに入っている人と並んでいる人だらけです。早く行かないと電源を利用出来ません。
なぜか混乱して、乗り遅れると勘違いしている中国人客に、遅延してるから問題なしって教えてあげました。中国東方航空を使うのが初めてなのでしょうか。
何とかゲート内セキュリティエリアに入れたのが午後7時55分頃。マレーシア仕様のBFタイプ電源を確保し短時間でも充電します。
乗客は並び順が適当な中国人だらけのようでした。
搭乗が始まったのは午後8時5分頃。
席に着いたのが8時20分前です。
飛行機が動き出したのが、8時24頃、離陸は8時40分で今回は45分しか遅延しませんでした。
着陸は翌日午前1時45分、1時55分に止まりました。
遅延はたったの30分くらいになりました。
機体から降りたのが午前2時2分頃、2時20分頃には入国審査かトランジットかエリアに着き、ウロウロしますが、案内もなく、どうしたら良いかわかりません。
係員に聞くと、トランジットカードを書けとのこと。
英語での正式名はTemporary Entry Foreignersという用紙に記入、指紋も登録して一時入国しないといけないそうです。
午後2時35分頃書き終わって、入国審査を受けようとすると、航空券を出せとのこと。
中国にはあるのか知りませんが、国際的に航空券なんかないので、搭乗券の意味と捉えますが、持ってるわけないので、ないと答えると、電子版で良いというので、日程を書いただけのスマートフォン内のメモを見せます。
グタグタ文句を言うけど、これしか無いので仕方ありません。
なんだかんだで一時入国許可をもらい、入国して荷物を受け取ります。
荷物は他の一般客用のは出払った後のようでした。
今回初めて実質中国に入国します。午前2時53分頃。飛行機到着から入国まで1時間かかりました。
中国で乗り継ぎがある場合は、航空券手配した際の正規の領収書等をPDF等で保存しておくと良さそうです。
夜の上海空港にて
上海国際空港というよりもPudong(浦东)空港の方が正しいのかも知れませんが、次の便は午前7時55分です。あと5時間ありますが、夜中の上海に観光へ行く気はしません。
なにより空港の入口にはセキュリティ検査があって、一歩でも外出ると面倒くさそうです。
ということで、空港内で過ごすことにしますが、椅子という椅子は既に誰かに占有されています。
航空会社のカウンター内の椅子にも誰かが作業中かと思ったら、ただの寝てる人。
スターバックスなどの店のソファーも寝ている人で占領されています。
椅子がないのはともかく、売店がどこもやってません。
唯一やってたのは、到着フロアのローソンのみです。
ここで飲み物とお菓子等を買って、夜食とします。
この出発エリアでの問題は使える電源が一切無いということです。機内で満充電しておかないと路頭に迷うところでした。
椅子は端っこの方にかろうじてあったのでそこに座ります。
アジアの空港名物の熱いお湯マシーンもあるので、持ってきたボトルとスティックコーヒーを活用します。
この空港で一番早い出発は午前7時10分。計算上、午前4時台に各種搭乗手続きが始まるはずです。
実際に何かの動きが始まったのは午前4時45分頃からでした。
上海から成田へ
成田便は今回初めてコードシェアではない中国東方航空MU727です。
午前7時55分発、午後12時00分着です。
暇なので、自分便の手続きを早く終わらすために午前5時頃からゲート前で並びます。実際に受付が始まったのは5時23分頃です。
5時40分頃にチェックイン手続きを終わらせ、出国審査を受けます。
中国の検査は一度やっているので、セキュリティでもスムーズです。すべての怪しそうに見える荷物は取りだしてレーンに載せます。
もめることも無く、1回のスキャンやり直しだけでセキュリティエリアに入れました。
出発ゲートのフロアには6時20分頃到着。
早朝やってるのはスターバックスくらいしかありません。
それにしても広い空港です。
出発ゲート前に到着すると既に寝てる人が大勢います。
この人達は何時にここに到着したのでしょうか。入国不要のトランジット制度を利用出来た人としか考えられません。
それはともかく、ゲート前の椅子では電源確保が重要です。
後でわかりましたが、この機体はこの旅で唯一の電源が一切ない物でした。上海航空の方が良いです。
今回は午前7時15分頃からゲートでの手続きが始まりました。
席に着いたのは午後7時30分過ぎ。
8時18分頃離陸で、めずらしく、ほとんど遅延しませんでした。
乗ってる乗客はオセアニア、東ヨーロッパ、中東方面が多そうです。中国人はほとんどいないようで、もちろん日本人(に見える人)もいません。
機内食には気になって仕方なくなる「緑豆沙」がついています。
別にうまくも無く、緑色でも無いけど、また食べたくなります。
成田着陸は午後12時10分頃、機体から降りたのが12時20分頃です。
成田第2ターミナル名物の長々歩かされ、日本入国が12時50分頃となります。
税関の手続きは数ヶ月に一度の入国でも毎回変わってますね。毎回さっぱりわかりません。
ローコストバスに乗って東京駅に向かいます。乗れたバスは午後1時5分発でした。
中国東方航空を使うということ
LCCでもないのに異様に安いルートがあった場合には、過剰なサービス、定刻通りの運航を期待せずに乗れば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
何よりも荷物預けに別途料金がかからない事が良すぎます。LCCのあれは何なんでしょうか。
上海での乗り継ぎになった場合、手続きがどうなるかはその時によると思いますが、いったん入国しての深夜の空港内での乗り継ぎはすることがなさ過ぎるのでおすすめしません。
それ以外での乗り継ぎは、どうせ遅延するので、それを見越したスケジュールならいいのではという感じでしょうか。
東アジア人は全員中国語で話しかけられると思いますが、スタッフは英語をしゃべれるようなので問題ないでしょう。
機内食や機内サービスは、普通にあるので、味やら何やらの注文がうるさくなければ問題ありません。
アルコールが無い、ブッキングクラスZではマイルが貯まらないなどの問題は些細なことでしょう。
今までは「中国東方航空 = あやしい」というイメージしかありませんでしたが、遅延と夜中の上海乗り継ぎさえ何とかすれば、安くてそれなりの航空会社というイメージに変わりました。