2009年5月に行われるさいたま市長選挙では、どの候補予定者も埼玉高速鉄道延伸については積極的に進めるという方針のようだ。
これに先立ち、現職および市議会も選挙対策と批判されながらも、3月の補正予算で、埼玉高速鉄道延伸促進費を当初予算案から倍増の約6,000万円にすることが決定している。
実際、どの候補者もこれが直接関係する岩槻区の票が欲しいはず。
前回の市長選挙でも、旧浦和対旧大宮という対立のなか、岩槻票を取った現職が勝利している。
現在は、浦和美園までしか来ていないこの鉄道を、東武野田線の岩槻まで延伸しようという話で、さらに将来は宇都宮線の蓮田まで延伸するような計画もあるという。
実際、この計画で利益があるのは、岩槻区の市民くらいで、他は旧浦和の緑区、もしかしたら、旧大宮の見沼区の市民が若干影響を受けるくらい。
はっきり言って、岩槻区以外のさいたま市民にとって、浦和美園までの路線では中途半端なので、岩槻に延伸するのは反対ではないが・・・、使わないからね的な反応が一番多いと思う。
鉄道の延伸は、鉄道事業者が勝手に負担するならやったらいいけど、埼玉高速鉄道は第3セクターでさいたま市や埼玉県もそこに含まれており、この事業費はさいたま市民や埼玉県民の税金も使われる。
岩槻までは7.3キロだが、この事業費は750億円とされており、1キロ100億円という金額がかかるのも驚異的。
国が補助すれば、地元負担は250億円だというが、さいたま市民120万人が全てこれを負担すると、1人21,000円。埼玉県民700万人が負担すると1人3,500円。
国が負担すると言うことは、国税が使われることになり、さいたま市民以外にも日本国民その他全ての税金が投入される。
この金額が高いかどうかは、それぞれが判断すればいいが、世の中にはこんな事業が山ほどあり、埼玉高速鉄道延伸問題はその中の1つでしかないわけだ。