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なぜ地震でガス管は破損せずに水道管は破損するのか

地下に埋めているガス管が地震などで破損した場合、ガス漏れが発生し、爆発する危険性がある。一方、水道や下水道などが破損しても水が漏れるなどするだけで、それほどの危険はない。
もちろん、水道管が破損し、噴水のように水が出れば何らかの被害も出るだろうが、その被害はガス漏れで爆発するのに比べたらたいしたことがない。

それではなぜ、ガス管は破損せずに、水道管は破損するのか。
地下に埋めているガス管は、通常都市ガス用に使われているガスの管だ。地方によってはプロパンガスしかない地域もあるが、全体からすると都市ガスの普及率は高くない。一方、水道は100%の普及率だろう。
都市ガスは文字通り大きな都市で使われており、大きな都市でガスが漏れると大変なことになる。

そのガス管は、プラスチックのポリエチレンで作られている。ポリエチレン製の管は地震などで曲がったりつぶれたりしても、ガスが漏れることはない。割れることが無いからだ。割れないことは同じ素材のレジ袋をみてわかるように、元々柔軟性がある素材だから。
管同士を接合する場合、継ぎ手などを使うが、これを接合するためには樹脂を溶融させて融着している。この方式で接合した物は、相当な力で引っ張っても外れることはない。地面が何十メートルもずれるような場合を除いて、通常の地震では十分耐えられる。

その遊着させる際など工事の時に、ガスが共有されている部分を一度止めた上で遊着する必要があるが、管自体を完全につぶしてガスを止めるという方法が使われている。
つまり、工事の時につぶしてもしまっても元に戻ってそのまま使えるのがポリエチレン製のガス管である。

現在はほとんどのガス管でこのポリエチレン製のガス管が採用されている。ガス管工事時に黄色いパイプがみえたら、それはポリエチレン製のガス管だ。1990年代までは緑だったので少し古いガス管の場合は緑のこともある。都市ガスは水道などに比べて近年普及した物で、これらの耐震性があるガス管使われており、地震が起こっても安心していいと言える。

一方、水道管などは、場合によっては50年以上前に埋設された物も多く、コンクリート、鋼鉄、塩化ビニルなど、様々な材料が使われている。どれもポリエチレン製の管ほどの耐地震性能は無い。
水道管でもポリエチレン製の管は普及しているが、それほどでもない。

一般的にこれらのインフラで使われている材料は50年耐えるように設計されており、ガス管も水道管も同じである。
ポリエチレン製のガス管ならPE80という国際規格、水道管ならPE100という国際規格を調べるとこのあたりの詳細がわかる。

まとめ
水道に比べ都市ガスはあまり普及していない。
都市ガスは地震でも壊れないポリエチレン製管の採用がほとんど

ペットボトルのキャップを集めてリサイクルって

ペットボトルのキャップを集め、400個で1kgになるが、それ(1kg分)を10円で売るらしい。
その売却代金がワクチンになって、どこかの国で使われるとのこと。

世界の子供にワクチンを日本委員会

ペットボトル(PETボトル)のキャップは、ポリエチレンかポリプロピレン製だ。
歴史的経緯で言えば、ペットボトルのキャップは、金属製キャップからポリプロピレン製キャップになり、その後、ポリエチレン製のキャップが登場という流れになっている。

金属キャップは現在使われていないが、ポリプロピレンとポリエチレンの見分け方は、キャップのギザギザが細かい物がポリプロピレン製、粗い物がポリエチレン製とするのが一般的。
キャップはさらに、内側に青だったり別の色の物がついている場合があるが、これは内容物を漏れさせないためのシール。これも別のプラスチック。これがない物は漏れるわけではなく、その必要がないから。

このキャップはおおよそ1個あたり3g程度だが、これを集めてリサイクルしているということ。何にリサイクルしているのかは不明。

そもそも、材質にポリエチレンとポリプロピレンがあり、さらに色も多彩で、これから何か別の製品を作るのは大変だ。
ポリエチレンとポリプロピレンを分けることができれば品質の高い物に生まれ変われるが、技術的にそれは困難。

色がついている物は、黒にするしかない場合が多く、白い物と、色のついている物で分けることは比較的簡単だ。

そもそも、ポリエチレンやポリプロピレンの新品ペレット(原料)は1kgあたり、100円から200円程度で販売されいる。(原油が高騰した場合は300円くらいかもしれない)

1kg10円というのはずいぶん安い。どうせ分類するなら、材質と色ごとにわけると高く売れる。
ペットボトルのキャップはともかく、新品でも1kg 200円程度の価値しかないものを集めている人がいることは事実である。

どのようなリサイクルをしているかはわからないが、ポリエチレンをリサイクルするというのなら、スーパーの余ったレジ袋(一般的にポリエチレン製)を集めたっていいだろうし、他にも集めるべき物はたくさんあるだろう。
昔は、色々危険性もあったアルミ缶のタブを集めている人がいたが、タブは取り外せなくなっているのにいまだに無理矢理外して集めている人がいるらしい。このペットボトルのキャップ収集もそれに似たような物なのだろう。

リサイクルのために集めること自体は無駄ではないが、何にリサイクルしているのかなど、収集された後の事もしっかりと理解した上で、そういった活動に参加してはどうかと思う。