Nintendo Switchの後継モデルは2025年に発売されると妄想している方が多いようです。
後継モデルはNintendo Switchと互換性があるのなら、SoCはNVIDIAのTegraの後継品が使われると考えるのが通常です。
Tegraの製造はTSMCかもしれないし、Samsungかもしれないし、Intelの可能性もゼロではないです。
2024年秋現在の状況からどうなるのかを妄想します。
Tegra T210
Nintendo Switchの2017年発売の初代モデルに搭載されたTegra。TSMCの20nmで製造される。
CPUはCortex-A57、Cortex-A53のそれぞれ4コアで合計8コアだが、A53は利用されていない。ARMv8-A
GPUはMaxwell世代のGM20B コア数は256、メモリは4GBで25GB/s程度。
Tegra X1自体は2015年にリリースされている。
その後登場したSwitchにはその改良版のT210b01が採用され、製造がTSMCの16nmになった。
NVIDIAの動向
Tegraシリーズは、NVIDIAで言えばJetsonなどのエッジコンピューティング向けに提供されているSoCだが、2020年代に入ると大きなアップデートは少なくなっている。
直近では2022年9月のGTCで Thorというコード名が公表されたが、主に自動運転向けのDRIVE Thorで、Jetsonなどのバッテリー駆動前提の製品、つまりNintendo Switchのようなゲーム機向けとはカテゴリが異なる。
実際に多数の製品が発売されているのがOrinで2018年に発表された物。
Jetson AGX Orinなどは2022年頃から実際にリリースされており、その数年後に出るSwitch後継モデルではこれをベースにしているという考え方もある。
とはいえ、ThorのCPUはARM Neoverse、GPUアーキテクチャはBlackwellであったりと、2017年のTegraとは全く別物となっている。
Orinベースの場合は、Ampere世代となり、CPUはCortex-A78AE(ARMv8.2‑A)になる。
Nintendo Switchの後継モデルのGPUがAda Lovelace(GeForce RTX 40)の場合は、Maxwellから4世代進化した物となる。Ampere(GeForce RTX 30)の場合でも3世代進化となる。
Ada Lovelace世代で、TSMCのプロセスも他の製品と同じプロセスの場合はTSMC 4Nとなる。4NはTSMCの5nmプロセスの改良版。
そのNVIDIAが次に大きな発表をするのは、2025年初頭に開催されるCES 2025、自社のイベントで2025年3月に開催するGTC 2025などになります。
Jetsonやエッジ向けに新しい製品を発表するならGTCで、GeForceや自動運転向けの製品ならCESになるかも知れません。
それらの派生製品がNintendo Switch後継機に採用される事もあり得ますが、既存モデルからの派生製品の可能性の方が高いでしょうか。
結局新モデルはどうなるのか
一般的にNintendoが新モデルをリリースするなら単純に性能を上げるだけはなく、新しい遊び方も入れてくるでしょう。
それがなんなのかは全くわかりません。
2017年当時の状況から考えると、性能が大幅に向上することは間違いありません。
ハードウェアレイトレーシング、DLSSなどでの大幅な画質向上があります。Ada Lovelace世代ならAV1によるハードウェアエンコードにも対応できるので、ゲームプレイの録画も低容量で長時間出来るようになります。
AI関連機能もありますし、NVIDIAは最新のゲームデモで、AIで実際に人と話すようなアドベンチャーゲームを実現しています。
一般的にゲーム機の次出てくるモデルでは、スペックがどうなるのかが注目されますが、Nintendoの場合はどのような新しい遊びが出来るのかに注目した方が楽しいでしょう。
NVIDIAのGPUアーキテクチャ
2012年 Kepler
2014年 Maxwell
2016年 Pascal
2018年 Turing
2020年 Ampere
2022年 Ada Lovelace
2024年 Blackwell
2026年? Rubin
TSMCの製造プロセス
20nm 2014年から
14nm 2014年から (15FFや12FFCなど)
10nm 2017年から (10FF)
7nm 2018年から (N7、N6など)
5nm 2020年から (N5、4N、N4など)
3nm 2022年から (N3など)
2nm 2025年から? (N2など)