電子出版普及後の出版はどうなるのかな

ネットによって産業構造が変わってしまった物がいくつもあるが、出版系もその一つ。
ネットで新聞がいらなくなるとかそういうレベルではなく、出版社そのものが必要なくなるということだ。

新聞の場合、その辺の三文記事はともかく、きっちりと報道しようと思うと、ある程度の規模、組織的部分が必要なところがある。テレビ局や新聞社が縮小することはあっても完全に無くなるまではさらなる変革が必要になりそうだが、出版社はいつ無くなってもおかしくない。

現在の日本の出版システムは

  1. 筆者が文章を書く
  2. 編集などをして印刷できる形にする
  3. 印刷会社が印刷して、本の形状にする
  4. 出版取次会社が書店に配本する
  5. 書店が販売する

という流れになっている。

この中で、出版社で無ければ出来ないことは特にない。
著者が文章を書く部分は、著者本人か、そのテーマに沿った本を出版したいと考える編集人がいて、著者を捜してくればいい。
編集などをして本の形にするのも、出版社の編集者ではなく、外部の編集プロダクションがやっていることもあるし、各種デザインもその分野の専門家がやっていることだし、クオリティをそれほど気にしなければ、著者が自分でやってもいい。
印刷は印刷会社だとかがやる部分だが、これは電子出版になると不要になる。
取次会社は大手2社がほとんどのシェアを持っているようだが、これは物流専門会社がやっても出来るだろう。電子出版はともかく、取次会社の将来も怪しい。
書店は本がある限り存続するだろうけど、電子書籍などが主流になった際にはどうなるのか?

出版社だからこそ出来ていることと言えば、この流れをうまく統括することや、編集や印刷などに必要な資金を出したり、宣伝するような部分。
これも、宣伝はともかく、印刷は電子書籍になれば不要。編集は自分でやれるし、ブログツールが発達したように、このあたりのツールも素人に使いやすいように発展するだろう。

要するに、ブログなどがそうであるように、ある程度文章が書ける人なら、電子出版になったときには、出版社などを通して出版するということをする必要が無くなる。
ブログに書くように、手軽に文章を配信することが出来る。
それが売れるかどうかはまた別問題だが、いままでは文字に書いた物を配信するのに越えなければハードルがほとんど無くなってしまった。