ロングテールだとかの概念だか、言葉を広めたのか生み出したのかのクリス・アンダーソンの無料をテーマにした本の日本語版が出るというので、早速Amazon.co.jpで注文しようかと調べてみた。
Amazon.co.jpによると、発売日は2009年の11月20頃。この情報を知ったのは14日なので、本を手に入れるには一週間くらい待つ必要がある。
そこでいろいろ見てみると、ネットの無料をテーマにしているだけあって、無料版も1万人限定で提供されているとのことなので、早速読めるように手配してみた。
どうやら13日に公開されたようだが、私が気づいた14日夕方の時点でまだ数千残っていた。多分3000くらい。
結局15日の9時頃終わったみたいで、48時間くらいで1万人に配布終わったことになる。
ビジネス書で、無料とはいえ、2日程度で1万人に配るってのはなかなか出来ないことだと思う。
1日の利用者が350万人いるという新宿駅で配ることを予想すると、人通りの激しいところで、本の無料配布キャンペーンをやったとしても、それに足を止める人は1分に10から20人程度だろう。
その中で、普通のハードカバーのビジネス書に興味を持って、持って帰る人が1/4の5人だとして、1日に6,000冊。2日で12,000冊。
こんなにうまく配布できるだろうか?
無料での配布は口コミ効果も狙っているのだろうが、駅なんかで配布したとしても読んだ後にネットに書いたり、他人にこの本の存在を伝える人の割合はものすごい低いはず。
でも、ネットなら日本ではいまいちの知名度でも、ロングテールだとかを言い出した人物の新しい書籍が無料なら、こんな事になるんだということがよくわかる事例だ。
さらに、ブログやらなにやらで、この本の存在を書く人がある程度いるのは、駅なんかで配った場合に比べて格段に高いわけで、プロモーション効果は非常に高い。
駅なんかで配った場合の費用はおそらく数十万じゃすまないだろうけど、ネットで1万人に配布する経費はゼロに近い。
もっと短いのかと思ったが、320ページくらいの普通のハードカバーが、巻末のおまけ的データを除いて本当に全部PDFで公開されているというのが、なによりもすごい。
アメリカやらイギリスなんかでも同じような試みで、今年の夏に発売していたようだ。
こんな長い文章をまとめて画面上で読んだのは初めてだったが、Macのレンダリングが良かったのか、読みやすさは紙と大差ない。
紙に印刷するのをそのまま見開きでPDFにしたので、その点では画面上では読みにくかった。縦書きというのもどうかと思った。
読むのと、それを理解するのにかかった時間は多分紙と大差ないと思われるが、たまたま移動しづらいPCで登録してしまったため、決まった場所でしか読めなかったのは不便。
中身といえば、ネットをよく使っている人には知っていることが多いと思うけど、個人的には中国やブラジルの事情なんかはなかなか面白く読めたし、一度立ち止まってこのテーマについて考える良いきっかけにはなる。
特に英語圏でよく使われているネットサービスをそれほど使っていない方にとっては、サイトの名称が解説もなくどんどん出てくるので、いまいち良く実感としてわからないという方がいてもおかしくなさそうだ。
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Better Than Free 日本語訳