英語はイギリス発祥の言語だが、各種メディアの影響もあり、アメリカ英語の方が主流となっている。
そのアメリカ英語でも、地域によって訛りはあるし、人種によっても発音などは異なる。
これは、アメリカ旅行など海外に行けば誰にでもわかることで、インド系アメリカ人の発音はインド訛りだし、比較的所得が低い黒人のしゃべり方にも特徴がある。メキシコなどからの移民の発音も特徴がある。なれていないと、何を言っているのか理解するのが難しいことも多い。
日本人が思いがちの正しい発音は、英語の教材にあるゆっくりとはっきりとした物で、実際に現地に行ってそのような発音で話している人に会うことはそう多くはない。
そもそも、イギリス英語とアメリカ英語は違うし、イギリス英語でも、地域によって全く発音が異なっている。正しい英語の発音というのはそもそも存在していない。
母国語を英語としない人種が、自分の言語の発音に近い訛りになってしまうのは当然のことだ。日本語を学習している外国人が日本語を話していれば、一生懸命理解しようとするように、英語を母国語としている人も訛りのきつい英語で話していれば、理解しようとしてくれることがほとんど。
もちろん、日本人が思うきれいな英語で発音できるのが一番だが、母国語が英語でなく、現地での長期滞在の経験などがなれば、きれいに発音することはほぼ不可能と思った方がいい。
その上で、なるべく正しく理解されるように多少学習するにしても、完璧を目指す必要はない。不可能なのだから。
よく、日本語英語を聞いて、日本人が「へたくそ」と思うが、思っても実際に声に出すのは、このような状況を知らないお子様のみだ。ある程度海外で活躍する人も、自分の発音もほめられた物ではないことをよく知っている人が多く、人の発音を馬鹿にするようなことはできない。
国際語となった英語で、なまっていたとしても何の問題もない。問題があるとすれば、自分の発音が下手だからという理由で何もしないことだ。