まだ十分とは言えないが、英語圏ではAmazon.comのKindleやBarnes & NobleのNookなどによって、電子書籍がかなり使えるようになっている。
英語圏以外のヨーロッパ系言語なら技術的にすぐに始められるだろうし、アジア系言語などでも少なくとも2010年代には電子書籍はかなり普及するだろう。
これは電子ペーパーを利用したKindleの様なデバイスが流行るとかではなく、電子配信された今までなら紙に印刷していたような情報を、なんらかの電子デバイスで表示されるようになるだろうということである。
これで心配されるのは違法コピーの蔓延だが、音楽や映像では今後も何らかの形で違法なやりとりが行われるだろうが、電子書籍の場合はなかなか難しいと思っている。
これはDRMが強固だとかそういう話ではなく、コンテンツそのものが本物であるかどうかを確認するのが難しいからである。
コピーバンドによる演奏や、歌の部分を別人がカラオケなどで歌った場合、本物と違うと言うことはすぐにわかる。本物を知らなくても、何らかのメディアで本物に接することは容易だし、偽物をつかまされても実害はない。そもそもコピー品を使っているのだから犯罪行為ではあるが。
文字だけの情報の場合、それが本物かどうかを見分けることが出来るのは、それを知っている人のみだ。小説などで、結末を書き換えてしまっても、オリジナルとの違いはそれを知る人にしかわからない。
結末をより面白く書き換えるのならまだしも、少しずつ物語を変えてしまったら読んでる方は、それがオリジナルだと思いこんでしまいかねない。
つまり、オリジナルの情報を確実に入手したかったら、正規に入手するしかないということだ。
なにしろ、一般的に本一冊読むには、速読が出来れば別だが、一般的に数時間以上かかる。偽物をつかまされて無駄な時間を使うリスクより、適正な料金を払って正規品を入手した方が良いと判断する方の方が多いのではなかろうか。
このリスクが低いデータ交換サービスのような物は、権利者側からつぶされるだろうし、権利者が偽データを意図的に流す可能性もありそうだ。
小説などはともかく、それでも流行りそうなのは漫画だ。
デジタル化された文字は誰でも書き換えが出来るが、絵を加工するのは難しい。紙に印刷された漫画は今も違法コピーはあるようだ。以前UAEに行ったときに、スキャンした漫画のナルトを英訳(だれが英訳したのかは不明)した物をPCで読んでいる人がいたのは驚いたが、国際的にこの違法コピーは今後もつづくだろう。
これを回避する一番良い方法は、見開きの紙ベースではなくデジタル用の漫画にすることでは無かろうか。