2009年のさいたま市長選挙は旧地域間対立が残る結果に

さいたま市全体

清水勇人 155,966 39%
相川宗一 98,816 24%
中森福代 62,991 16%
日下部伸三 32,249 8%
松下裕 27,448 7%
高橋秀明 26,397 7%
合計 403,867

さいたま市全体の結果だけ見ると、清水氏の圧勝に見えるが、相川氏が強い旧浦和、旧岩槻をみると全く違った結果になっているのがわかる。
旧大宮市民の多くは旧浦和偏重市政に偏見を持っており、相川氏は過去2回の選挙でも得票率は低かった。
自民・民主などの政党問題はほとんど関係がないが、旧浦和市から5期続き、世襲で利権の固まりとみられる相川氏に群がる(支援する)古い自民党体質の政治家(民主党系も含む)にはうんざりしているのかもしれない。

それにしても、自民党の国会議員を中心に支援を受けた中森氏の票は伸びなかった。有名国会議員を味方につけても、政策などがはっきりしないと票につながらないのだろうが、ここだけは民主党を味方につけた清水氏の圧勝といってもいいかもしれない。
日下部氏は市庁舎を旧与野市へと訴えたためか、旧与野市や地元では比較的高い得票を得たが、それ以外では全く伸びていない。1年ほど前から準備していたようだし、医療関係ではまともな政策もあったと思うが、それ以外の政策なども含め、ほとんど支持されなかったのだろうか。

経済情勢が悪化しても、得票率が40%程度では共産党系の候補者も伸びないようだ。
松下政経塾や道州制なども市民には全く支持されなかったようだ。

旧大宮市 113396 (28%)

清水勇人 43337 38%
相川宗一 13280 12%
中森福代 16000 14%
日下部伸三 21553 19%
松下裕 8325 7%
高橋秀明 10901 10%

日下部氏は地元で、1年以上前から準備をしていたこともあり、中森氏などよりも高い得票を得ている。
相川氏は、前回、前々回と同じように旧大宮市民からの支持は得られていない。
松下氏の地元でもあるが、毎回落選の上、今回の得票数では氏の選挙もこれで終わりだろう。

旧与野市 31387 (8%)

清水勇人 11387 36%
相川宗一 8944 28%
中森福代 4113 13%
日下部伸三 1829 6%
松下裕 2437 8%
高橋秀明 2677 9%

毎回、相川氏が微妙な得票数を得ていたが、今回はその票も清水氏に動いたようだ。

旧浦和市 168331 (42%)

清水勇人 55355 33%
相川宗一 57886 34%
中森福代 28728 17%
日下部伸三 5460 3%
松下裕 11369 7%
高橋秀明 9533 6%

さすがに地元なだけに相川氏は強いが、清水氏もそれなりに高い得票を得ており、相川離れがすすんでいることがわかる。
日下部氏が非常に低い。

旧岩槻市 36036 (9%)

清水勇人 12257 34%
相川宗一 11687 32%
中森福代 7636 21%
日下部伸三 1213 3%
松下裕 1924 5%
高橋秀明 1319 4%

旧岩槻市は、日下部氏が非常に弱い。相川氏が強いのは前回の選挙でも同じだ。