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携帯電話キャリアを意識しなくなる時代

将来、ドコモやau、ソフトバンクなどの携帯電話キャリアは単なる土管屋になると言われている。
土管屋とは、つまり携帯電話系の電波を流すだけの業者になり、自社ブランドの携帯電話やサービスを提供しない会社になると言うことだ。

実際、アップルのiPhoneは日本では2010年4月現在、ソフトバンク回線を使ってサービスを提供しているが、iPhoneはソフトバンクだから出来るサービスではない。
メールアドレスなども、ソフトバンクの物は必要ではないし、通常のインターネットが普通に利用できるので、携帯電話用のインターネットサービスメニューも不要。
この市場にGoogleやMicrosoftに加えて、様々な会社が主導権を取ろうと必死である。

これを水道に照らし合わせると、水自体やそれが流れる水道管を提供しているのは、地域の水道局などだが、水の味は地域によって違うし、水道管自体も素材によっていくつかに分けられる。
管の素材は、鉄、プラスチック、コンクリートなどだが、プラスチックでも塩化ビニルやポリエチレンなどいくつかある。このなかで、もっとも地震などに強いのは、大地震などで大きく揺れたりしても割れることのないポリエチレンだ。
一般の利用者は、この水道管を全く意識していない。
意識しているとすれば、その中を流れる水自体の味だろう。例えば東京都は、高度浄水処理した水を提供しており、そうでない古い水処理の地域に比べると味が全く異なる。

一般の水道利用者はもちろん水道管が万一の時にも問題ない物の方が好ましいと思っているだろうが、経路がどうであれ、重視するのはその味自体では無かろうか。
もちろん、高度浄水処理装置に更新する場合、経費がかかるため一般に水道料金が上がる。

携帯電話の電波の場合、たまたまドコモの電波状況が優れており、ソフトバンクは劣っている。近い将来、状況が変わることはないだろうが、LTEなど新方式でどうなるのかはまだわからない。
電波がつながらなければどうしようもないが、ある程度問題なくつながるのならば、携帯端末で重要なのはその端末の使い勝手や、そこで使えるサービス自体の品質である。

電波が良くても、端末やコンテンツが劣っているのと、電波はそれほど良くないが、端末やコンテンツが優れている物のどちらを選ぶべきなのか。
水道なら、多くの方が水の味を重視すると思われる。だれも水道管自体は意識していないだろう。また、携帯電話系のネットワークに近い物では、インターネットのプロバイダ(ISP)はどこを選ぶべきかは悩みどころだった。現在では、どこもそこそこのサービスを提供しており、ほとんど意識されていないようだ。

今のところ、一時期のISPと同じように、携帯電話では端末の出来やコンテンツではなく、電波の品質で選んでいる方も多いようだ。
しかし、重要なのはそこで使えるサービスであり、この状況は近い将来確実に変わっていくのだろう。

電子ブックの配信はどうなる。デバイスや配信業者、フォーマットとか

電子ブックデバイスとして、KindleとiPadしか話題にしない人も多い。
デバイス自体はアマゾン(Amazon)に加えて、ソニーやB&Nも出しているが、2010年にはさらに数十社がこの市場に向けた製品を公開する。
配信業者も多く、他にも様々な問題もある。KindleとiPadしか見ていないような意見はかなり分析が甘い。

http://www.youtube.com/view_play_list?p=67BB16E6FEB8AE79
さまざまな電子ブックリーダー

電子書籍を読むだけなら、PCの画面でもいいし、携帯電話でもいいし、専用リーダーでもいい。
文字をじっくり読む場合、本のように手に持って扱えるデバイスが適しているだろうし、ビジュアル指向の雑誌を読むなら、さらに、書き換え速度が速いデバイスとインターフェースが必要になるだろう。

そういう意味では、小説などはバッテリ駆動時間も長く、目に優しい電子インクを使ったKindleのようなデバイスが適している。カラーの画像やビデオなども含めて、タッチパネルインターフェースを使ったiPadのようなデバイスは、雑誌的なコンテンツに適している。
KindleやiPadのようなデバイスは、2010年から電子ブックが読める物として話題になるだろう。

しかし、それぞれ利点も欠点もあり、両者はディスプレイテクノロジが発達するまでは共存する。電子インクの発色と書き換え速度に加えてコストが液晶に近づいた頃には、また新たなデバイスとなっているだろう。

電子ブックを音楽配信と重ねる意見も多いが、音楽と書籍は全く違う。
音楽の場合、音をオーディオデバイスで出力出来ればいいので、有料・無料、ネットのダウンロード、CDやレコードなどの違いは全く関係なく、電子的な配信、販売に適している。
しかし、本の場合、文字や画像を表示して読まなければならないが、それを読むためのデバイスをどうするのかなど、簡単ではない。

音楽の場合は、無法地帯から、アップルのiTunesが始めるまでは、有料で電子的に買える物が皆無と言っていい状態だった。
iTunesが成功したことで、電子的な配信・販売に向いている音楽は、Amazonやソニーなど、いくつかのサイトも電子販売に参入し、CDなどの販売は縮小する一方だ。日本なら携帯電話での販売もそれなりに好調のようだ。

しかし、電子ブックの場合、そもそも無法地帯とはなっていないし、紙に印刷して製本された物は優れており、音楽CDのようには市場は縮小しないだろう。
電子配信に関しては、Amazon Kindleに代表されるように、有料販売が現時点で主流と言っていいだろう。
その電子配信は、Kindleに加えて、ソニーやMobipocket、B&Nなど様々な業者がすでに有料販売を始めている。将来は少ない何社かがかなりのシェアを得ると思われるが、まだまだ市場自体が小さく、参入業者も多いので、どうなるかはまったくわからない。

Amazon Kindle http://www.amazon.com/

Sony Reader Store http://ebookstore.sony.com/

Apple Store http://www.apple.com/

Barns & Noble nook http://www.barnesandnoble.com/

Mobipocket http://www.mobipocket.com/

O’Reilly http://oreilly.com/

Google Books http://books.google.com/

唯一、書籍で無法地帯と言えるのが、日本の漫画(Manga)だ。
日本の漫画は、海外でも人気だが、日本で雑誌や単行本となって出版された物は、勝手にスキャンされ、各国語に翻訳され、オンラインで読むというのがかなり 浸透している。

個人的に目撃したのは、BLEACH(ブリーチ)という漫画などを、アメリカの小学生がネットで読んでいたし、ドバイの小売 店では、20台の店員がNARUTO -ナルト- をレジのコンピューターで読んでいた。

小説や雑誌などとは違い、漫画自体は電子配信の敷 居がかなり低いコンテンツと思われるが、権利者がこれに向けて動いていない。

Kindleは3G回線を基本としており、 画像の漫画ではデータ量が多くなり通信料の問題がある。日本の携帯電話向けには専用にオーサーリングしたもので参入しているようだが、漫画家の中には電子 化した際にはカラーで表現したい方も多いようなので、カラーの液晶を使ったデバイスでの配信が、漫画の基本になるのかもしれない。

また、フォーマットが多いのも問題だろう。

音楽の場合、mp3が基本で他に数種類あるだけだったが、Kindleはmobipocketベースだが、業界団体はePubを推進しているようだ。PDFもあるし、日本などの縦書きはどうなるのか気になる点も多い。

最終的に、これはソフトウェアの問題なので、デバイス自体がそれぞれのフォーマットに対応すればいいだけだが、フォーマットがたくさんあるのはユーザーにとって利便性がよいとは言えない。

そもそも、日本では用語も統一されていない、電子ブック、電子書籍、イーブックなどたくさんあり、この用語の認識も人によって違うようだ。

様々な問題はあるが、2010年は電子ブックが本格的に立ち上がるのは確実だ。

新型WalkmanとZune HDをさわってみた(2009年9月)

ソニーの新型ウォークマンは駄目だと思うではまださわっていない状態の感想だったが、実機をさわってみた。

有機EL搭載
有機ELで無いのと静止画で比較すれば、確かに発色は有機ELの方がよいが、一般ユーザーには比べてみなければ気づかない程度だろう。
動画ではビットレートなどにもよるのかもしれないが、ほとんど差が分からない。

3-Circle
iPod nanoの劣化デザイン見えることもない3-Circleは、iPodに慣れた私には思わず回したくなってしまう。もちろん、このWalkmanにはそのような機能は付いていないわけで、単にボタンを押すしかないわけだが、全部で表面に6つあるボタンがUI含めて思えなかった。

薄さ
側面が薄いiPod nanoの方が薄いんではと思える。デザインなので、薄さ自体はそれほど驚異的ではない。

歌詞表示
カラオケで使うなら便利かもしれないが、歌詞だけ見るなら全画面で自由にスクロールさせてみたいかも。

音質
ちゃんとした環境で聞いてないのでよくわからない。

結論
これでiPod nanoはともかく、携帯電話での音楽鑑賞に立ち向かえるとは思えない製品だ。

もちろん、この製品の音質がすばらしいとすると、オーディオマニア(非常に狭い市場)にはうけるのかもしれない。
ビジュアルを活用したUIという意味では、米国で発売(2009年9月15日)したばかりのZune HDもさわってみたが、こっちはiPod系よりも突き抜けたタッチパネルインターフェースを採用しているし、HD動画(720p)も再生できて楽しい。

ウォークマンのNW-A846と同じ値段(3万円くらい)出すなら、5Gの新型iPod nanoは持っているけど、Zune HDを追加購入したいくらいだ。

ソニーの新型ウォークマンは駄目だと思う

本日(2009年9月16日)、ソニーから新型ウォークマンが発売された。
特にSシリーズという小型モデルに限って言えば、iPod nanoに対抗するための商品で、デザインもiPod nanoを劣化させたような物という印象。

もちろん、これをかっこいいと思う人もいそうだが、iPod nanoのようなシンプルさが無く、物理的なボタンも多く、複数の色を使いシンプルとは言い難い。
シンプルなら良いわけではないが、iPod nanoに似てしまうのをどうにかごまかしたデザインですという印象でしかない。

3-Circleというのも、ソフトウェアと合わせての使い勝手が重要だが、今のところ取り立ててこれが便利という認識は個人的にはない。

機能面では、音質、ノイズキャンセリング、カラオケ、歌詞表示などを打ち出しているようだが、

音質を気にする一般ユーザーはほとんどいない。
ノイズキャンセリング機能付きは高いなど単純に喜べない。
カラオケモードは珍しくはないが、どれだけこの機能に食いつく人がいるのだろうか。
歌詞表示機能はiPodなどでもとっくの昔から出来るが、歌詞の取得、自動スクロールなどが有料ながら用意されるのは便利だが、どれだけ利用者がいるのだろうか?

http://www.sony.jp/walkman/

ポータブルオーディオはiPodにどうやって勝つかという点よりも、携帯電話にシェアを奪われないようにするにはどうすればいいかという点に移っている。

iPod自身も、iPhoneと同違いを出すのか苦労しているようだが、iPod touchはゲーム機、iPod nanoはカジュアルビデオ撮影という新しい流れを作り出そうとしているようだ。
アップルが新しい試みで成功するかどうかはわからないが、ソニーの新モデルではそのような新しいコンセプトが何も感じられない。

アップルがiTunesと連携して、音楽・映像配信、Podcast、iTunes Uだとかユーザーが楽しめるサービスをどんどん取り込んでいるのに比べて、ソニーのウォークマンはハードウェアの性能だけ高くしましたという日本の勘違い家電メーカー独特のパターンから抜け出せてない。

ソニー好き、少しでも高音質で聞きたいオーディオマニアには売れても、一般ユーザーがどれだけこれに食いつくのだろうか。
今までどうかはデータをよく見てないので知らないが、日本以外ではほとんど売れないのでは無かろうか。