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PlayStation Vita伝説

2011年1月27日
次世代携帯型エンタテインメントシステム(コード名NGP)を年末に発売することを発表。
4コアのCPUや、有機EL、2本のアナログスティック、背面のタッチパネルを採用し、本体形状なども公表される。

2011年6月6日
NGPと呼ばれていた次世代ゲーム機の名称がPlayStation Vitaで価格が24,800円(249ドル)、29,800円(299ドル)になることが発表。

2011年6月29日
株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が、9月1日付で、平井一夫が社長兼グループCEOから会長に、ソニー・コンピュータエンタテインメントヨーロッパ 社長 兼 CEO 兼 Co-COOのアンドリュー・ハウス(Andrew House)が代表取締役 社長 兼 グループCEO になることを発表。
また、名誉会長の久夛良木健は、6月28日をもって同職を退任したことも発表された。

2011年7月28日
任天堂がニンテンドー3DSの価格を、8月11日に25,000円から15,000円へ改訂することを発表。

2011年9月7日
ニンテンドー3DS用にモンスターハンター3Gが発売されることが判明。

2011年9月13日
事前に情報が出ていた、ニンテンドー3DS用のモンスターハンター3Gに続き、モンスターハンター4も3DS用にリリースすることを発表。

2011年9月14日
SCEJプレスカンファレンスが開催され、発売日が12月17日、3G版の料金、独自のメモリーカードの料金などが発表される。3G版は初回出荷50万台に100時間分の利用権などがつく。

2011年9月16日
ロイターのインタビューに河野プレジデントが「(3G版は100時間分の無料通信料がつくので初回出荷の50万台を)早急に売り切りるつもりだ、とにかくスタートダッシュが大事」「Vitaと3DSは直接競合しない」「(いつでも接続でき、ゲームの楽しみを広げる)成長戦略のための新しいチャンスを広げるためにも3G版をメインに売る」と発言。

2011年10月15日
PlayStation Vitaの予約が開始され。すぐに予約がいっぱいになる。

2011年11月下旬より
Vitaの予約が順次再開され、発売前日でも予約が可能な状態に。

2011年12月上旬
「PlayStation Vita“PLAY”キャラバン-全国体験会-」というVitaを直接触って楽しめるイベントが開催されるが、人の入りはそれほど多くなかった。

2011年12月17日
PlayStation Vitaが販売される。
行列もできたが、ほとんどの店舗で当日夜になっても売れ残る。

2011年12月22日
PS Vitaの発売週(土日のみ)の販売台数がメディアクリエイト調べで324,859台だったことが判明。
同時発売ソフトは「みんなのGOLF 6」は61,412本、「アンチャーテッド 地図なき冒険の始まり」は48,224本。

2011年12月22日
ラグナロク オデッセイの完成披露イベントに出席した河野プレジデントが、Vitaの販売数は「想定通り」、「タイトルと周辺機器がすごく売れていて、ダウンロード版が想像以上に売れている」と発言。

2011年12月29日
PS Vita発売翌週(12月19日から12月25日)の売上げでPSPを下回っていることがメディアクリエイト調べで判明。その間、Vita自体は品切れになっていない。
各機種の販売台数はVita 72,479台、PSP 101,121台。3DSは482,200台。

2012年1月12日
PS Vita 3G版の販売が貢献し、NTT DoCoMoが21ヶ月ぶりに契約者数純増トップへ。
3G版の販売数は19万台ほどと推定される。Vita全体で40万台ほどなので、3G版の割合は半分ほど。

2012年2月2日
ソニーが2011年度第3四半期決算を発表し、説明会でVitaは「想定通りの販売状況」と説明。

2012年2月9日
メディアクリエイトが調査した1月30日から2月5日の週間販売台数で、久しぶりにPSPを上回る。
Vita 17,141台、PSP 15,847台。

2012年2月16日
PS Vitaの最有力オリジナルソフト「GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動」の初週販売数が43,462本を記録。
翌週は10,219本で、6万本ほどが1ヶ月程度で販売された模様。

2012年2月20日
ニンテンドー3DSの国内販売数が500万台を突破したことが発表される。

2012年2月28日
PlayStation Vitaの世界累計販売台数が120万台を突破したことが発表される。
発売時期や地域差があり単純比較は難しいが、ニンテンドー3DSは発売後同等期間に世界累計で200万台ほど販売。

2012年2月下旬
米国や欧州で発売されたPS Vitaの販売数が芳しくないことが明らかに。

2012年3月7日
電気通信事業者協会などが公表する通信回線の契約数の数字から、日本の2月分PS Vita 3G版販売数が、1.3万台ほどと推定される。
2月のPS Vita販売数は合計で5.4万台ほどなので、3G版の販売割合は1/3程度と推定される。

2012年3月8日
メディアクリエイトが調査した、2月27日から3月4日分に販売されたPS Vitaの販売台数が10,023台で、週間販売数が4桁間近なことが判明。

2012年3月9日
PS Vitaゲーム天国」という動画で最新状況を説明するイベントを開催。
要するに、任天堂が岩田社長自ら直接ユーザーに情報を提供するストリーミング動画の「ニンテンドーダイレクト」のSCE版かと思いきや、YouTubeにいくつかの動画が上げられただけで、目新しい情報は特になかった。強いて言えば、モンスターハンターがUMDパスポート(UMDメディアを持っていると料金を払えばダウンロード版を比較的低価格で購入できる)で提供されることくらい。
多くのゲーム好きは、Vitaに関する新情報が提供されると思っていたが、取り立てて無くてがっかり。

2012年3月13日
ユーザーから「PS Vitaゲーム天国」への批判が多数あったことに関して、河野プレジデントが「次回の「ゲーム天国」、どのように改善されるか、見守ってください。」とメッセージを公表

2012年3月15日
メディアクリエイトによる売上げ調査で、発売から13週目となる3月5日から3月11日の売上げが10,041台を記録。
これにより累計売上げ台数が610,062台になり、5万円から6万円で販売されていたPS3の発売13週目の612,861台を下回る結果となった。

2012年3月17日
3月10日付のVGChartzで、Vitaの国内販売数が9,944台を記録。北米は38,576台、ヨーロッパは57,614台で世界合計113,252台。同時期の3DSは179,947台。

2012年3月22日
メディアクリエイトの調査による3月12日~3月18日のPS Vitaの売上げが、10,021台で3週連続で10,030台近辺という記録した。
10,023、10,041、10,021(標準偏差は9)という微妙な数字に対して、3DSの同時期は70,744、68,951、64,017(標準偏差は2844)となっており、PS Vitaがいかに安定しているかがわかる。

2012年3月29日
メディアクリエイトの調査による3月19日から3月25日のPS Vita売上げが、10,302台となり3週連続10,030前後という奇跡的な数字から大幅に増えた。

2012年4月12日
メディアクリエイトの調査による4月2日から4月8日のPS Vita売上げが、8,931台と1万台を切る結果になった。前週は12,105台で春休み効果が出たが、それも1週間しか持たなかった。今回の数字から「白菜」などと呼ばれるようになる。

2012年5月3日
メディアクリエイトの調査による4月23日から4月29日のPS Vitaの売上げが、12,299台と久しぶりに1万台を上回った。この要因は「シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩」が3万本強売れたことに関係していると思われる。しかし、このソフト自体のユーザー評価(4Gamer.net)が100点満点中17点(その後上昇)と非常に低い評価で、実際に致命的なバグがたくさんあるという状態だった。

2012年5月10日
ソニーの2011年度(2012年3月末まで)連結業績説明会が開催され、PS Vitaの3月末での世界販売数が180万台だったことなどが説明された。PSPは680万台だった。
2012年度の売上げ見通しはPSPとPS Vitaと合わせて1600万台となる。この内訳は明かされていない。
また、質疑応答の回答で、
「(前期の実績からPSPが減ると思うのでそれを考えると台数は)1000万台程度と見込んでおられると思う。サードパーティーのVitaの開発意欲が落ちていると思うが、何らかの施策が打たれた上で、この(1600万台という)数字になっているのか?」
という質問に対して
「Vitaに関しましてはですね。昨期、日米欧アジアに導入しまして、180万台の実売という風に申し上げましたけど。これは、それなりに滑り出しとしては上々という風に思ってます。こういったゲームプラットフォームは、やはり、ソフトがどれだけいい物が出てくるか、これでもって決まるビジネスと思っていますので、鋭意ソフト面での強化をしていくというのが、まず最初の基本線ですね。
Vitaに対して今時点で、意欲が減ったと言うことは全然無くて、これは、ポータブルプラットフォームとして、あるいはネットワークにつながる、私どもの大事な一角の商品でございますので、ここは、気合いを入れてやっていくと、その意気込みに今時点まったくひるみは無いと。
ソフト、サービスこれを強化していくという、いつもの、まあ、その、共同ですね、これを粛々とやっていくと、ということだと思います。
サードパーティさん、あるいはファーストパーティからのスタジオからも続々とタイトルが出てくると思いますので、それをご覧いただいてご評価願いたいと思っています。」
「台数はイメージ通りだと思います」
と回答した。

中略

2013年3月6日
メディアクリエイト調べの2013年2月25日~3月3日の販売台数で62,543台となり、3DS LLの50,265台(3DSは27,174台)を上回る快挙を達成
2013年2月18日~2月24日は11,456台だったので6倍近い上昇。

つづく

PlayStation Vitaの発売直後の売り上げがひどいことになっている件

一般的に新型ゲーム機は、発売日にいわゆるゲーマーなどが一斉に購入するため、予約の段階で品切れ、発売日には数十万台の出荷をし、すぐに完売という状態になる。その後しばらくは入手困難になるが、2011年12月17日に発売になったPlayStaion Vitaに関しては全く状況が異なる。

発売日とその翌日の土日となる12月12日~12月18日の売り上げデータ(メディアクリエイト調べ)によると、324,859台の販売で一見そこそこの売り上げに見えるが、発売から9ヶ月ほど経過したニンテンドー3DSの367,691台に負けている。

http://www.4gamer.net/games/117/G011794/20111221057/

また、その後の19日〜25日に関しては一般的に品切れなどで発売直後に比べて落ち込む物だが、72,479台となり、3DSの482,200台に完敗しているのはともかく、旧モデルとも言えるPSPの101,121台にも負けているという現状。

http://www.4gamer.net/games/117/G011794/20111228008/

実際、店頭でも発売日の夜になっても在庫ありの状態だったし、その後もWi-Fiモデルは一部品切れになったところもあったようだが、基本的にいつでも購入できる状態が続いていた。
発売前の段階でも、予約開始直後こそ予約困難状態になった物の、その後、予定出荷数が増えたのかもしれないが、予約自体前日でも受け付ける店舗が多数あった。

3DSの発売直後のデータを比較してみると、2011年2月26日に発売になったが、その週には374,764台、翌週は209,623台、3月11日の地震があった週は96,463台、61,394台、50,710台と続き、3月28日〜4月3日の週にようやく42,979台とPSP(57,379台)に首位の座を明け渡すという状態で、ソフト不足などが指摘された3DSでも旧モデルに負けることは無かった。
日本は年末年始商戦で任天堂が特に強く、3DSに有力ソフトがそろってきたとはいえ、それでも自社の旧モデルに販売数で負けるというのは異常事態と言える。

http://www.4gamer.net/games/117/G011794/20110302065/

ソフトの方を見ると、発売週はみんなのGOLF 6が61,412本、アンチャーテッド 地図なき冒険の始まりが48,224本などと、本体と同時購入したユーザーがいくつか購入したようだ。しかし、翌週になると、ランキング20位のマリオカート Wiiの43,752本を下回る販売数のため、ランキング外という状態になった。

今回のPS Vitaは発売直後に他機種に完敗し、さらに品切れもおこしていないというローンチが完全に失敗したと言っていい状態になっていることがわかる。
2012年2月には海外でのローンチとなるが、それまでに3DSと同じように有力ソフト不在。PS Vitaの一般ユーザーからみた利点が「画面がきれいで、タッチパネルとかに対応してスマホみたい」と取り立てて新しいところが無いという状態。本当にゲームを楽しむ方のための3DSにおけるすれちがい通信のような、nearも現時点で魅力が薄い。
一般紙が利点とする、3G機能も料金などの点でこのようなゲーム機では利点とはならない。

PS VitaはPSP goのような状態になってしまうのだろうか?
どうなるPS Vita。

ソニー 2010年3月に発覚した個人情報流出事件を振り返る

2011年に4月に発生したソニーの情報流出事件は、解決までかなりの時間を要しているようだが、ソニーは伝統的にネットワークのセキュリティが甘い。
2010年3月4日にプレイステーション2を100万台発売するとして当時話題になったが、この事前予約でも情報流出騒ぎがあった。事前予約はプレイステーションドットコム(http://www.jp.playstation.com/)というサイトで受け付けていたが、このサイトのセキュリティがかなり弱かった。

2010年2月18日0時より予約を開始するということで、多くのユーザーがその1時間ほど前からこのサイトに殺到した。
このサイトは無意味にFlashを多用した、当時重いけどかっこいい(と思われていた)デザインを採用していた。大量のアクセスが見込まれる予約開始時も同様の無駄に重いデザイン、今で言えば、自動的にフルHDの動画再生が始まるようなデザインをそのまま維持しており、なんとか予約サイトに繋がっても、予約が完了したかどうかも怪しい状況だった。
当時の記事によれば、最初の1分間に10万ヒット、ピーク時は1分間に40万から50万ヒットだというので、おそらく1分間に数万PVあったのだろう。今では大規模なサイトでは普通の数字ながら、当時はかなりのアクセスだった。

ところで、この予約開始日にWebサイトが異様に重くなると言うのは、それから10年たった2010年代に入ってもVAIO予約開始時などで伝統的に受け継がれている。これはソニーのお家芸と言えるだろう。

2010年2月18日の予約開始数時間後に送られたお詫びメール

xxxx 様、

PlayStation.com(Japan)サイトのオープンに際し、
大変大勢のお客様からアクセスが集中いたしましたため、
サイトの入り口が非常に混雑して入りにくい状態になって
おりますことをお詫び申し上げます。

18日午前2時現在サイトは、再開しておりお客さまからの
アクセスが可能となっておりますが、引き続きサイトが混在
しておりますので、しばらくたってからのアクセスをお願い
申し上げます。

お客さまには、ご迷惑をお掛けいたしておりますが、今しば
らくお待ちいただきますようお願い申し上げます。

プレイステーション・ドットコム・ジャパン

予約が完了したユーザーには2日後くらいにこのようなメールが送られた。

この度はPlayStation.com(Japan)のショッピングサイトをご利用頂き、
誠にありがとうございます。

お客様のご注文を下記ご利用ID、注文番号として承りました。

ご利用ID:[メールアドレス]
注文番号:[数字]

商品発送時には、発送のお知らせをメールにてご案内させていただきます。

ご購入商品の詳細につきましては
http://www.jp.playstation.com/
にログイン後、購入履歴をご参照ください。

ご不明な点がございましたら「ご利用ID」、「注文番号」をご確認の上
「サポートセンター」までお問い合わせください。
ご利用ありがとうございました。

【サポートセンター】
http://www.jp.playstation.com/index_s.html
電話:03−5500−9955

問題はこの数字6桁くらいの予約番号だ。自分の予約ができているかどうかを確認するためにサイトに入り、自分のIDやパスワードでログインし、予約状況を確認すると、この予約番号が含まれたURLがブラウザに表示された。
ためしにこの予約番号部分だけを少し変更してみると、他人の予約が表示されるという状態だった。
当時の記事

この問題をソニーがユーザーに公表したのが3月2日頃送られたこのメール。

2000年3月2日

xxxx 様

 プレイステーション・ドットコム・ジャパン株式会社
          

お客様情報への不正アクセスの件

 拝啓 プレイステーション・ドットコム・ジャパンのショッピングサイト
をご利用頂き、まことにありがとうございます。
 さて、当社サイト(www.jp.playstation.com)において、お客様よりご提
供いただいた情報の一部に不正アクセスが発生した件ですが、当社にて調査
したところ、お預かりしているデータに関しては、一部のお客様を除いて問
題が無いことが判明致しました。

 不正なアクセスが発生した可能性のあるお客様には、別途個別にメールと
お電話で、事実のご報告と、お詫びを申し上げております。

 また、万が一不正アクセスを受けた場合でも、その内容は、お客様のお名
前お届先住所などの商品の配送に関するデータのみであり、クレジットカー
ド番号あるいはお客様の電話番号などのデータに不正なアクセスがなされて
いないことが確認されております。

 お客様には、たいへんご迷惑をおかけしておりますが、当社としてこの件
に関しては、以下の通りの対処を行っておりますので、何とぞご理解を頂き
たく、ご報告申し上げます。
 
 3月1日 17時頃に、当社のウエブサイト上で問題の存在を認識し、日本
アイ・ビー・エム社の施設内のサーバーにおいて、他人の受注番号を使用し
ての不正なアクセスがなされた痕跡を確認いたしました。

 当社では、日本アイ・ビー・エム株式会社と協力し、17時22分にこの
方法によるアクセスを防ぐ措置をとり、既に不正アクセスは防止されており
ます。その後、直ちに合同の対策本部を設置し、共同で不正にアクセスされ
たお客様のデータおよび不正アクセス者の特定およびシステム全体のセキュ
リティの再検証を指示しました。

 まず、20時にアクセスログ収集のための解析プログラムの作成を開始し、
3月2日午前0時から、2月18日のサイトオープンから3月1日に到る全
アクセスログの収集および不正アクセスログの洗い出しを開始しました。本
作業は5時に完了し、その結果不正アクセスの対象となったお客様の総数と
不正アクセス者の総数の絞りこみが完了しました。その後引き続き不正アク
セスログから不正アクセスユーザーの洗い出しに着手しました。

 一方、システム全体のセキュリティの再検証に関しては、3月2日 午前
3時に日米専門検証チームによるインフラおよびアプリケーションに到る全
システムのハッキングコンサルティングを開始し、セキュリティホールの総
点検を実施、8時30分に検証を終了しました。更に別途アプリケーション
ソフトのロジック解析を実施し、論理検証が6時30分に終了しました。こ
こで、今回の問題が、お届先データを取り扱うアプリケーションの不備によ
るセキュリティホールであることが確認されました。

 その後、15時に不正アクセスされたお客様および不正アクセス者の特定
作業を終了し、不正アクセスの可能性があるお客様への事実の通知とお詫び
のご連絡をしております。
また、不正アクセス者への対応の検討も開始しています。

 ご迷惑をお掛けいたしましたお客様には、深くお詫び申し上げます。
 今後は、一層のセキュリティ強化に向けて努力を続けてまいりますので、
プレイステーション・ドットコム・ジャパンのショッピングサイトを、
よろしくお願い申し上げます。

敬具

○本件に関する問い合わせ先
          プレイステーション・ドットコム・サポートセンター
                      03−5500−9955

この件で、不正アクセスをしたと思われる者に送られたメール。

2000年3月7日

xxxx 様
プレイステーション・ドットコム・ジャパン株式会社

前略

いつも、プレイステーション・ドットコム・ジャパンのショッピングサイト
をご利用頂きありがとうございます。さて、過日当社のサイトで発生いたし
ました「お客様情報への不正アクセス」に関して、当社にてアクセスログな
どのデータを検証した結果、お客様のID番号を使用しての不正アクセスが
発生していたことが判明致しました。

このような行為は、当社のID登録者サービス利用規約の第7条において
「禁止事項」の対象となり同じくID登録者利用規約の第6条にて
「本サービスの利用停止」あるいは「登録IDの抹消」の対象となります。
しかし、今回は当社サイトのセキュリティの弱さをご指摘頂き、ご検証され
た内容をご報告頂いた例もありますので、今回は事実のみを報告させて頂き
ます。

なお、もしお客様の元に当社サイトの検証の課程で得られたデータが保存さ
れている場合は、速やかにそのデータを破棄していただきたく、お願い申し
あげます。

今回のメールの内容に関して、万が一「覚えが無い」などのご質問がござい
ましたらば、恐れ入りますが当社サポートセンターまでご連絡をお願いしま
す。

早々

この件で刑事事件などまでに発展した者はいなかったようで、情報流出に関するお詫びもメールなどによるものだけだった模様。

NGP(PSP後継機)はカジュアルゲーマーを取り込めるか

2011年1月27日に開催されたPlayStation Meeting 2011で、PSPの後継機(コード名 Next Generation Portable)や各種サービスなどが発表された。

ポイントは2つで
Androidなど各種デバイスでPlayStationのゲームが楽しめる「PlayStation Suite」
「PlayStation Suite」も可能な次世代PSPとなるNGP(コード名 Next Generation Portable)

NGPは完全にじっくりとゲームを楽しみたいゲーム愛好家向けのハードウェア。海外を中心に人気のアンチャーテッドの最新作など、しっかりとゲームを楽しめるハードウェアになりそうだ。
しかし、ゲーム専用とも言えるハードウェアは普段ゲームをしないユーザーが購入するハードルは高い。たとえ1万円などあまり高くない価格だったとしても、ソフトウェアを含めなかなか購入してもらえないのが現状だ。

特に、それなりにゲームも楽しめるスマートフォンなどが普及した今、わざわざ高価なゲーム機は売りにくい。しかし、ちょっとした暇つぶしなどにゲームをやりたいユーザーは多い。
今回、PlayStation Suiteというサービスが発表されたが、これ自体そのようなユーザーに向けたサービスで、これ自体での収益化に加え、NGPへのステップアップももくろんでいる。

PlayStation Suiteは当初、初代PlayStationのゲームを提供するとのことだが、初代PlayStationのゲームはハードウェアコントローラーで操作するのが基本で、Androidスマートフォンのようにハードウェアキーがない物では操作が難しい。おそらくPSP Phoneとも言われる、ハードウェアコントローラー付きの携帯端末や、外付けのコントローラーなどを提供するのだろうが、初代PlayStationのゲーム自体はおまけの機能と言ってもいい。

一番の目的は、このプラットフォームをAndroidなどでのゲームポータルとして機能させようというのだろう。
ゲームを開発しやすい開発環境を提供し、このプラットフォームで多様なゲームが提供されるようになれば、NGPユーザーのコアゲーマーはもちろん、Androidユーザーなどのカジュアルゲーマーも取り込めるようになる。

iPhoneやiPod touchはハードウェアコントローラーが無いので、タッチパネルなど各種センサを利用したゲームしか開発できないが、PlayStation Suiteなら、Android向けにはタッチパネル、NGP向けにはハードウェアコントローラーを使用するようなゲームを同時に提供できるようになる。
之がうまく連携できれば、Androidでカジュアルゲーマーをつかみ、NGPなどのコアゲーマーに誘導するということも可能になる。

iPhoneはカジュアルゲーマー中心で、コアゲーマーは他のプラットフォームを使うしかない。Nintendo 3DSはどちらかといえばコアゲーマー向けだが、カジュアルゲーマーはなかなかNintendo 3DS自体に手を伸ばさないだろう。
そういう意味では、このPlayStation Suiteの仕組みはうまく機能すればあらゆるユーザーがより作り込まれたゲームを手にとってもらえる環境である。

カジュアルゲーム時代の携帯ゲーム機は

電子ゲーム人口のうちかなりの割合が、iPhoneなどのスマートフォンや携帯電話など、本来ゲーム機として開発されていない端末によるカジュアルゲームを楽しむようになっている。

もちろん、Xbox 360やPS3、PCゲームなどのじっくりやりこむ系のゲームもいまだ人気で、本当のゲーム好きにはこちらの方が好まれているだろう。

そんな中で、立場が微妙なのが、ニンテンドーDSやPSPなどの携帯ゲーム機だ。カジュアルゲームを中心に、大抵のゲームはiPhoneなどの常に持ち歩く携帯機器で可能で、iPodの様に売れなくなっていくのは確実だろう。
ニンテンドーDSは2011年初頭に3D(立体視)表示に対応した新型ゲーム機、ニンテンドー3DSをリリースするが、当初投入されるソフトは従来の延長上にあり、立体視表示と言うだけでゲーム好き以外にどれだけ普及できるか疑問が残る。
将来は現在DSiで提供しているDSiウェアを強化したりするのだろうし、日本でドラゴンクエスト9により一時期話題となった、すれ違い通信機能などを強化するなど細かなアップデートはある。しかし、基本機能の強化や立体視などでは一般ユーザーはなかなか飛びつきそうにない。

カジュアルゲームの流行は日本ではあまりわからないだろうが、iPod touchのゲームはアメリカなどで子供も含めかなり普及し始めている。現在はそれでもニンテンドーDSの方が利用率は高いが、簡単にゲームを購入できる事などから近い将来、Androidを含めこの手の端末がゲーム市場において、キーとなることは間違いない。

ここにうまく入っていこうというのがPSP2の戦略のようだ。
PSP2自体は2011年1月下旬に発表とされ、うわさの域を出ないが、携帯電話の3G回線にも対応すると言うことで、カジュアルゲーム機能も取り込もうとしていることがわかる。

携帯電話の3G回線を使用した先例としては、AmazonのKindleがあるが、Kindleと同じ様にゲームのダウンロードは無料でどこでも行えるようになるだろう。3GよりWi-Fiの方が高速だが、カジュアルゲームの主要顧客となるユーザーはWi-Fiの設定がわからないという方が多い。
そんなユーザーに、Wi-Fiの設定なしでいつでもどこでもゲームが入手できれば、カジュアルゲームユーザーを取り込むことが可能になる。

また、AndroidベースのOSになるのなら、Android系のカジュアルゲームを技術的にはそのまま遊ぶ事も可能だろうし、PSP2へ移植することも用意になる。タッチパネルだけを使ったゲームも悪くないが、ハードウェアキーが無いと楽しめないゲームも多い。そんなゲームにはPSP2は非常に相性がいい。

無料や100円程度のソフトしか買わないカジュアルゲームユーザーも当初は、簡単なゲームしか遊ばなくても、ゲームをやるという習慣がみにつけば、数千円のじっくりやりこむ系ゲームを買うようになるだろう。
3G回線を使ってアイテムを買うというようなことも簡単にできるようになる。

ゲーム機を購入し、その後のソフトウェアも考えるとこのPSP2の戦略はなかなか興味深い。
しかし、そもそもPSP2を買うまでのハードルが高い。このハードルはiPod touchやニンテンドー3DSと同じだが、一般ユーザーがどのハードを選ぶかがここ数年の課題なのかもしれない。