富士フイルムの3DデジタルカメラFinePix REAL 3D W3を買って、いろいろ撮影してみた。
3Dなので、立体視で撮影できるわけで、静止画だけでなく720pの動画も撮影できる。
720pの動画は一応HDだが、コーディックなどの関係でそれほど綺麗ではない物の、とりあえず使えるレベルの動画が撮影できるし、静止画もちゃんととれれば立体感も非常に楽しい物が撮影できそうだ。
しかしながら問題もいくつかある
一番の問題は、撮影したデータを楽しむ環境がほとんど無いと言うこと。
NVIDIAの3D Visionに対応できる液晶などを買えばいいが、現時点で5万円程度とそれほど高くはないが、3D Visionメガネは自分の耳に合わないしうす暗いのであまり買う気になれない。
もちろん大型の3D対応テレビは性能はともかく、日本の価格では判断にも入ってこない。
結局、立体視で楽しむには、背面液晶で見るしかないが、それ以外にも、3Dのデータをどうやって管理するかという点もある。
撮影するだけならいいが、総合的に管理できるようになるまではまだまだ時間がかかりそうだ。
ここに掲載している画像も本来3Dで撮影しているが、3D映像を管理保存できるWeb系サービスがほとんど無いため2Dとなっている。
撮影後の事はともかく、撮影もなかなか難しい。
適当に撮影しても立体感は出てきて楽しいが、より立体感を出しやすいという条件がいくつかある。
FUJIFILM 3D プリント : 3Dプリントに適した画像例
に書いてあることほとんどそのままだが、風景などを撮影してもいまいち立体感は出てこない。
手前に見える照明の立体感はあるが、遠くに見えるビルの立体感はいまいち。
街の風景を撮影するなら、道を歩いている人を入れて撮影すると立体感は出る物の、単に立体的で楽しいというだけの写真になり、今はいいが立体視が当たり前になるかもしれない将来はつまらない写真になると思われる。
人や道路にある看板などの立体感が非常に出ている。
バスやバス停とその後ろに見える高速道路や、歩道を歩いている人などの立体感は素晴らしい。
難しいのは近接撮影(マクロ)で、料理が並んだ写真などを効果的に撮れれば楽しそうだが、近すぎるとなかなか難しい。
比較的接写したが、あまり立体感は出ていない。特にこのような細かな模様になるとより難しくなる。
画角は判断が分かれるところだろうか。
一般的にコンパクトデジタルカメラは4:3。一眼レフは3:2、動画は16:9が基本だ。このカメラはコンパクトデジカメに分類されるので4:3で撮ってもみたが再生環境を考えると16:9が適していると思われる。
16:9にしたところで、センサーの上下を使っていないだけだが、立体視の映像は基本的に電子デバイスで見ることになる。
電子デバイスのディスプレイは16:9などのワイドが基本だ。
この電子デバイスを考えればワイドで撮影した方が見た目はより大きく表示されるだろう。もちろん、撮影した物を後で上下カットしてもいいが、撮影するときに4:3と16:9の両方に対応できるように撮影するのは素人には難しい。
ならば、初めから16:9で撮影すればいい。
撮影し始めて1週間経っていないが、経験を積めばよりそれっぽく見える立体視映像が撮れるようになっていくだろか。
立体視の映像は単に撮影する技術だけではなく、立体的に見えるような構図なども必要になってくるのでなかなか難しい。
このカメラに搭載されている背面液晶の立体感はそこそこ素晴らしいし、大きすぎないので持ち運びにも邪魔にならない。
動画を撮影する場合、30分撮影できるかどうかというバッテリ容量など問題点もいくつかあるが、カメラ自体の不満点は現時点ではあまりない。
一番の問題は、立体視映像を楽しみ環境が整っていないこと。立体視データの管理も問題だが、富士フイルムが添付している管理ソフトの出来が悪い事も問題だ。
カメラ自体には不満はあまりなく、将来より高性能の3Dカメラが登場するまでの練習用にも、4万円前後で販売されているFinePix REAL 3D W3は、立体視映像に興味ある方には買いと言っていい。
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